言語聴覚士の神田京です。
「なかなか秋らしくならない…」と思っていたら、急に寒くなりましたね。日中と夜で温度差のある日が続きそうなので、体調に気をつけていきましょう。
ところで最近、療育時間中に「フォークを使わないで、手づかみ食べばかりして困っていて・・・」といった、「手づかみ食べ」の話題を耳にすることがあります。
親心として、“手づかみ食べよりもスプーン等の道具を使って食べて欲しい!”という気持ちはよくわかります。
そこで、今回は手づかみ食べは良くないの?ということについて、お話したいと思います。
さて、いきなり答えになってしまいますが「発達の面から考えると、手づかみ食べにはとても効果的な意味がある」のです!
その理由は、以下の通りです。
- 自分で食物に手を出す→自分で食べる意欲を育てることにつながる
- 手づかみ食べは簡単にできる→最初の取り組みとしては最適
- 自分の手を使って食べる為、自分に合った一口量を手の感覚を使って覚えることにつながる
そして、スプーンやフォークを使って食べる時がくると、
- 一口量を解っているので、自分で調整して一口量すくえるようになる
- 万が一、少し大きめの食物を自分の口へ運んだとしても、「あっ!大きいな…」と感じて前歯で食物を噛みとって一口量にできるようになる
- 手づかみ食べから徐々にスプーン·フォークの使用へ移行していく中で、手と口の協調動作が育っていく
といったことが学べていきます。
こう考えると、手づかみ食べも、とても大事な行為であることが分かりますよね。
お子さんが手づかみ食べをしているときには、こういった視点からもチェックしてみてくださいね。