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【療育のイロハ】療育での実践は保育とセラピーの2つ。いいとこ取りの療育が最高!

保育とセラピーの両方の視点が入った療育プログラムが最強!

一言で療育といっても、何を指すかによって、療育の定義は変わってきます。

例えば、理学療法や作業療法、言語聴覚療法などに代表される「セラピー」と呼ばれるもの。

もう一つは、保育や感覚遊びなどの活動。

子どもは遊びを通して体や心、言葉を発達させていきます。

だから、セラピーだけでは発達支援としては不十分です。

逆に、一般的な保育活動だけでは、課題についていけない、関心が向きにくい、環境の問題などで、十分遊びに向かうことができないこともあります。

だから、それぞれ(セラピーと保育)の要素が入った療育プログラムが最強となるのです。

療育の基礎として保育があり、そこにセラピーの視点が入るというのが、子どもにとって最も効果的だといえるでしょう。

セラピー要素の入った保育

一般的な保育(例えば保育園での保育活動)では、集団スキルを学ぶ機会を得ることができても、お子さんの特性に細かく配慮した関わりということは難しい場合が多いです。そのため、より丁寧で、お子さんの特性を考慮した保育を行なうには、「セラピー要素の入った保育」を受けるというのが最もよい選択です。

では、セラピー要素の入った保育とは、どのようなものでしょうか。

それは、上述の通り、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などが保育士と一緒に考えたプログラムを実践してくれる保育です。

「Aちゃんは、感覚刺激が好きだから、跳ねる刺激が心地よい、トランポリン遊びを取り入れよう」→作業療法士+保育士

 

「Bちゃんは、姿勢の崩れの問題があるので、体幹筋がしっかり育つように、ジャングルジム遊びを取り入れよう」→理学療法+保育士

 

「Cちゃんは、言葉の発達がゆっくりなので、言葉を引き出せるように、お店やさんごっこをしよう」言語聴覚士+保育士

このように、単に遊びを展開するだけではなく、遊びながら課題をクリアできるように「目的を持った遊びを構築する」ということが大切です。

つまり遊び構築のプロである保育士さんに、セラピストがバックアップすることで、より子どもの能力を引き出す遊びを見つけていく、ということになります。

保育要素の入ったセラピー

では逆に、保育要素の入ったセラピーとは何かを考えていきましょう。

一般的に療育におけるセラピーは、マンツーマンでおこなわれます。

親子同室が多いですが、保護者の方と離れている方が良いケース(例えば保護者の方がいない方が頑張れるお子さんの場合など)もあります。

マンツーマンで行われるセラピーの内容は、理学療法士や作業療法士などの担当者が考えることが一般的です。

このプログラムは遊びを通したプログラムになることが多くありますが、ここに保育要素が入ることで、「辛い、嫌なことをさせられる」というセラピーではなくなるのです。

もっと端的に言うと、「子どもは遊んでいるだけの気分。でもしっかりとセラピーの目的が入っている」ということです。

保育士からの好きな遊びの情報が入ることで、セラピストは「この遊びをさせながら、この部分を伸ばせるようなプログラムを組もう」というように子どもに負担のない、セラピープログラムを立案し、実践することができるのです。

保育VSセラピーではなく、補完し合うものでなければならない

このように、療育を構成する保育とセラピーは、それぞれお互いに補完し合う関係であることが理想です。

療育現場においては、保育とセラピーのうち「どちらが有益か」という「保育VSセラピー抗争(?)」を繰り広げている療育機関もあるかも知れませんが、そのようなところでは子どもの可能性を引き出すことは難しいでしょう。

補完し合うということは、「保育が優位性を持つ場面」があるなら、「セラピーが優位性を発揮する場面」もあるべきで、その時の状況によってどちらを優先させるのか、を考えていく必要があります。

 

保護者の方に中にも、「セラピー優先」と捉えている方もおられますが、それは違います。

繰り返し言いますが、どちらが重要かではなく、どちらもお互いに補完し合うものであるべきなのです。

 

そのような保育やセラピーを提供している療育機関は、お子さんの能力を最大に引き出してくれるところと言って間違いないでしょう。

お互いがお互いを尊重している療育機関というのは、「子どもと保護者の方にとっていい方法を考えよう」としているところだからです。

 

もし、保育VSセラピーの構図がある療育機関があるとすれば、その療育先は「子どもと保護者を見ているのではなく、内向きの思考(自分たちの領域争いをしているだけ)であると言えます。

このような療育機関では、お子さんの能力を最大に引き出すどころか、お子さんの伸びる部分(可能性という芽)に気付いてもらえないかもしれません。

まとめ

・療育における実践としては、保育とセラピーの2つがあります。

・セラピー要素の入った保育、保育要素の入ったセラピーのどちらも大切です。

・保育とセラピーは、お互いに補完し合う形が理想です。