なぜ幼児期が重要なのか?
こんにちは、幼児の発達の専門家、ゆずのおっちゃんです。
ゆずグループは幼児期を主軸に事業を展開しているのですが、それには理由があります。
幼児期は、人生の幹を作る大切な時期だからです。
木が育つ時に、まず幹ができます。やがてそこから枝が伸びていきます。
幹が太く育っているからこそ、枝葉は自由自在に伸びていくことができます。
子どもの育ちは、それと全く同じです。
生まれてから幼児期の間に、人生の基礎を学びます。
それは体の育ち、心の育ち、言葉(コミュニケーション)の育ちの3つの要素があります。
この3つが互いに関連しながら、発達していきます。
これらを総合的に育てていくために幼児期がある、と言っても過言ではないでしょう。
逆に言うと、幹を育てることができないまま成長してしまうと、枝葉がノビノビと育たない人生になってしまう、ということになります。
小学校に入ってからの成長や、学校生活での活動を楽しめるかどうかは、幼児期の関わりに左右されると言えます。
幼児期は、体・心・言葉の3つをバランスよく伸ばしていく必要があるため「体が安定しないから運動レッスンを受けさせる」とか「言葉が出ないから言葉のレッスンを受けさせる」というような単発の関わりをすることは効果的ではありません。療育の落とし穴ですので、注意しましょう。
幼児期に自己肯定感をできるだけ高めて上げることも大切
幼児期が人生において重要な意味が、もう一つあります。
それは、「幼児期の間に、できるだけ自己肯定感を上げてあげる必要があること」です。
自己肯定感とは、自分で自分を認めるということ。
他人からどうのような評価を受けようとも、自分に自信を持ち、堂々と対処することができるための基本となる力です。
この自己肯定感を上げるには、「親からの愛情(愛着関係)」、「親や他者から認められること」、「これは誰にも負けないというものを持つこと」、などの気持ちや体験が重要になります。
これらの「愛され感・認められ感」を幼児期に体験させることで、他者との関わりの中で生まれてくる軋轢やストレスに対応できる能力を高めることができます。
逆に言うと、自己肯定感を高めることなく成長してしまうと、ストレスに対応できず、心の安定を保つことができなくなります。
そうなってしまうと、子どもは「他者に対して攻撃的になる(攻撃は最大の防御なので)」もしくは「自分の殻に閉じこもる(引きこもる)」しか対処方法がなくなります。
だからこそ、幼児期の間にいっぱいの愛情と認められ感を体験させてあげるべきなのです。
幼児期に「矯正させる」「強制する」「根性論で指導する」などは、自己肯定感を下げることの要因となります。
そのような方法論で指導された子どもは、そのフラストレーションが成長後に問題行動として出てくるのがオチです(幼児期は大人の力でコントロールできるので、子どもにフラストレーションが溜まっていることは、案外気づかれにくいのです)。
そもそも子どもをコントロールする、という考え方は完全に大人のエゴです。子どもには、楽しく生きる権利があり、自由に表現できる権利が保障されています(詳しくは、1994年に日本が批准した「子どもの権利条約」をご覧ください)。
ゆずでは子どもの人権を尊重するという観点からも、矯正や強制、根性論での指導方法はご法度としています。
体・心・言葉の3つをバランスよく発達させていくために必要なもの
幼児の発達を促進するために、最も大切なこと。
それは、「遊び」です。
遊びは、人生の基礎を作る最も大切な「学び」でもあります。
しかし単に遊ばせているだけでは、発達に特性のあるお子さんの場合、幹を育てることはできないでしょう。
個々に応じた評価を行い、そのお子さんの苦手部分と得意部分を確認した上で、「目的に合わせて遊びを選択する」ことが必要になります。
また、遊びの中に、療育としての目的を取り入れた「その子に合った、発達促進につながる遊び」が提供されることが大切です。
ここに、定型発達のお子さんと発達特性のあるお子さんの違いがあります。
定型発達のお子さんは、いい意味で「適当に遊ばせている」だけで幹を作っていきます。
発達特性のあるお子さんは、適当に遊ばせるのではなく、「幹を作るための遊びを選択してあげる」ことが必要です。
加えて、「遊び方を教えてあげる」「遊びに乗れるように上手く誘導してあげる」ことがポイントです。
それさえきちんとできていれば、発達に特性のあるお子さんも「遊びの中で発達させる」ことができます。
ゆずの個別レッスンにおける遊びは、担当者が評価チャートに基づいてお子さんを評価した上で、「得意な部分をさらに伸ばす遊び」と「苦手な部分を負担なく底上げする遊び」の2つの遊びプログラムを組み込んでいます。
まとめ
・幼児期が人生において重要な意味を持つ理由は、「幼児期は人生の幹を作る大切な時期」だからです。
・幼児は、「からだ・こころ・ことば」が相互に関係しあいながら、発達していきます。
・そのため、「運動発達が遅れているから運動レッスンを受ける」、「言葉が遅れているから言語レッスンを受ける」という対処方法は適切ではありません。
・幼児期のうちに、自己肯定感を高めてあげることも大切です。なぜなら、自己肯定感は、これからの人生をのびのびと過ごす基礎になるからです。
・人生の幹を作り、体と心と言葉を平行して発達させ、自己肯定感を高めるための最善の方法は「遊びを通して学ばせる」ことです。
・発達特性のあるお子さんの場合、正しく状況を評価した上で、発達を促進する遊びプログラムを実践していくことが何より大切になります。