先週末、ゆずのおっちゃんと言語聴覚士むぎちょこがコンサルティングを担当させていただいている、茨城県笠間市の児童発達支援・放課後等デイサービス事業所の「あていんぷらすわん」さんのスタッフ様向けの研修会を行いました。
テーマは、「保護者支援の考え方とコツ」です。
2時間のうち、1時間20分程度講義形式でお話をすすめ、その後実際の療育場面で悩まれている保護者支援のあり方や具体的な方法についてのご質問にお答えしました。
実は保護者支援のあり方って、事業所の理念や考え方によって色々違うので、「これが正解」というものはないと思います。
なので「ゆずで実践している保護者支援のあり方(考え方)はこうです。よかったらご参考にしてくださいね」といった感じでお話をしました。
上のスライドは、保護者支援に関する研修では、必ずお伝えする「支援者が果たすべき6つの役割」です(今回の研修でもこの6つについて一つずつご紹介しました)。
要は、色々な役を状況に合わせて使いこなす、ということです。
そのためには、一方向からの視点で見るのではなく、多方向から物事を見ることができなければなりません。
こういった多方面から物事を捉えるためには、「情報」が必要です。
お子さんのキャラや特性、生育歴などに加えて、保護者の方の子育て方針、保護者の方のキャラや考え方、園や学校などの環境や状況。
他にも色々あると思いますが、こういったたくさんの情報を集めていくことで、療育の目標が決まっていきます。
その情報ゲットのために最も効果的で、最も素早く行えるのが、「お母さん(お父さん)に聴く」ということです。
聴くだけではなく、「聴き取る」というのが正しい言葉かも知れません。
動画内でもお話していますが、聴き取ることは病院などで記入する「問診票」と同じ意味があります。
そして、聴き取りで得た情報と、実際にお子さんを評価した内容をミックスさせて、目標を設定していくと「こんなはずじゃなかった!」という失敗を防ぐことができます。
加えて、保護者の方にとっても、「じっくりと聴いてくれる」という姿勢は、療育に対する不安を軽減することにもつながります。
また、遠慮なく「親としての想いを話せる」ことは、明日への活力にもなると思います。
保護者支援を行おうとすると、つい何か「専門的なことをお教えしないといけないのでは?」「お子さんのことを全部分かっておかないと、支援者として恥ずかしいのでは?」と思われる方も多いと思いますが、そんなことはありません。
なぜかというと、「お子さんのことを一番近くで見ているのは、保護者の方」だからです。
だからこそ、お母さんやお父さんなどご家族は、実はたくさんの情報を持っているのです。
その色々な情報を「教えてもらう」ことが保護者支援の第一歩となります。
ちなみに、私がお子さんの評価をする際には、「お母さん、どうしてこれを嫌がっているの?」「いつもおうちでもこんな感じですか?それともここだけですか?」など、あれこれ伺い続けます。
しまいに「専門家やったら、そのくらい聞かなくても分からんのか!」と怒られそうですが、「聴かないことには、分かりません(テヘペロ)」が正解です(テヘペロが古い😅)。
私のことはいいとして。
つまり、保護者支援のキモは、「聴き取ること」「お母さん(お父さん)教えて」です。
どんどん聴くことで、スタッフと保護者の方の関係もより良くなっていきますし、一石二鳥ですね。
保護者の方も、この記事を読まれていると思いますが、そういった視点で療育を捉えてみてくださいね(療育スタッフの方は、色々質問してくれますか?)。
療育スタッフが(保護者の方に対して)「上から目線ではなく」「媚びることもせず」「一緒に悩んで、一緒に考えていきましょう」という形で接してくれるのが、一番効果を生みだします。
少なくともゆずでは、そのようなスタッフ教育を行っています(不十分なところがあれば、ぜひお知らせください)。
最後に、今回の研修のスライドを使って、まとめをしたいと思います。
療育とは、「子どもと保護者のそのままを認め、次の一手を一緒に考えるもの」です。
そのままを認めるからこそ、「お子さんのことを教えて。お母さん・お父さんの想いを聴かせて。」が大切です。
ゆずをご利用のお母さん・お父さん、我が子への想いを、もっと聴かせてください。