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スタッフ研修5回目(言語聴覚士担当)。「定型発達に合わせる」という考え方や、厳しく躾ける療育が不登校や暴力を引き起こす理由

言語聴覚士の講義で印象的だったこと

ゆず代表の西村です。

ゆず新入スタッフへの研修シリーズ、最後(5回目)の担当は、ゆず言語聴覚士の西村千織(通称:むぎちょこ)でした。

自閉症スペクトラムのお子さんの特性の捉え方、評価の仕方、遊びの中で言葉やコミュニケーションを育てるコツ、効果的なプログラムの立て方、などについて紹介しました。

講義の中で印象的だったのは、「療育の思い込みをなくそう!」というお話です。

具体的に言うと、間違った療育として「この子は自閉症スペクトラムだから、こういうことがきっと難しい」「ADHDだから、こんな課題がある」など、療育スタッフが決めつけて(思い込んで)しまっていることが良くある、ということでした。

例えば、自閉症スペクトラムだからといって、みんなこだわりが強いわけではないですし、感覚特性があるとも限りません。みんな目がうまく使えないわけでもありませんし、みんな手先が不器用ということでもありません。

要は「子どもによって違うので、一人ひとりきちんと評価をしなければ、本当の課題は見えてこない」ということなのですが、こうやって改めて聞いていると「言われてみると当たり前のことでも、意外と盲点だなあ」と思いました。

もう一つ印象的だったのは、自閉症スペクトラムのお子さんを、定型発達のお子さんに「合わせていく」という取り組みが、如何に意味のない取り組みであるか、というお話です。

これについては、私も講義等でお話をしますが、自閉症スペクトラムのお子さんは、脳の神経ネットワークが定型発達のお子さんとは違うため、「定型発達のお子さんの気持ちや感覚を理解しなさい」ということ自体が非常にナンセンスな話なのです。

今回、そのことについて、以下書き進めていきたいと思います。

自閉症スペクトラムのお子さんに「定型発達の子どもに合わせていく」取り組みをすると反動が出る

幼児は多少大人がうまくコントロールすることで、一見、定型のお子さんに合わせたような取り組みができることがありますが、実際は「反射的に行っているだけ」であったり「嫌だなあと思いながら仕方なく従っているだけ」だったりすることが多くあります。

「反射的にでもできれば、それでいいじゃないか」と言うお声も聞こえてきそうですが、パターンとして覚えたこと『だけ』で過ごしていけるならいいのですが、世の中はイレギュラーなことが多くあります(大人に近づけば近づくほどイレギュラーなことは増えてきます)。

そのため、応用力をつけてあげることと、それ以上に「人に頼る」ことが大切になります。
できないことがあってもいいのです。

それよりも、代わりにお願いできる「理解者」を持つこと(増やすこと)が大事で、そのためには保護者の方が(あるいはお子さん自身が)「苦手なこと」「人に頼んだ方がいいこと」などを知ることが第一歩です。

また、大人の強制力(厳しく躾けるなど)で定型のお子さんに合わせていくような取り組みをしてしまうと、その反動は大きくなった時に出てきます(私の経験だと、多くの子が小学校高学年くらいから顕著になってくる印象です)。

反動とは、「引きこもり(不登校)」「暴力などです

反動その①引きこもりや不登校

引きこもりについては、自費の発達相談事業を行っていた時に、よく相談がありました。

小学校の低学年から始まっているお子さんもいました。引きこもりは不登校につながります

不登校になると、「学校は行っておかないと」「みんなも行ってるでしょ」と声を掛けてしまう方もいますが、これだと余計に行かなくなります。

「不登校系YouTuberゆたぽん」さんのように、自分で行かないと決めているならいざしらず、「本当は行きたいけれど、行けない」子どもの場合、「行くべき」とか「みんなそうだ」と言われると、もっと奥深くに逃げて、心の扉を閉ざすしか方法は残っていません。だから、そんな声かけをしても、不登校が加速するだけです。

余談ですが、そういう意味では、私は世間が言うほど、ゆたぽんさんが不登校であることは問題だとは思いません(親御さんの「子どもを学校に行かせる義務(義務教育)」はここでは論じません)。

なぜならゆたぽんさんは、「攻め」の姿勢で学校に行かない、と決めているからです(大なり小なり親の意見が入っていると思いますが)。

主体性を持って「行かない」と決めているということは、裏を返せば「行こうと思えば」行けます。

逃げたいから行かないお子さんの場合は、「逃げる(行かない)という選択肢しかない」のです。

つまり「状況が変わらない限り行けない」です(どう状況を変えてあげるかを考えていく必要があるのです)。

反動その②暴力的な反抗

暴力については、体が大きくなってきて、お子さん自身が「力を使えば反抗することができる」と気付くと表面化してきます。

親御さんへの暴力を伴った反抗だけとは限らず、自分より年少の子や下の兄弟さんに向けられることもあります。

そこで大人が(幼児期と同じように)大人の強制力で暴力を止めさせようとすれば、余計に子どもは追い込まれ、さらに暴力的になります。

理由は簡単ですよね。暴力を振るっているのは、子どもの「助けてほしい」というサインだからです。

悲しいことに、その子は「助けてほしい」というサインの出し方を「暴力で表現する」という間違った方法で学んでしまったのです。

本当は暴力的な子どもは、敏感で繊細で、心の中では不安なのです。

子どもの特性に合った関わりが大切

少し話題が逸れましたが、「厳しく躾ける」は、一見子どもが言うことを聞いてるように見えて、問題を先送りしているだけですので、「大人の強制力でもって、定型発達のお子さんに合わせさせる」療育はやめておくことをお勧めします

ちなみに、定型のお子さんと何が違うかというと「脳神経のネットワーク(シナプス構成)の違い」です。

これは、医学的に明らかになっています。

だから、子どもの特性(脳神経のネットワークの特性)を見抜き、脳の特性に合った関わり方をしてあげないと、療育の効果はでません

脳の特性に合った関わり方は、「厳しく躾ける」ことではありません。

このあたりは、下記の動画をご覧ください。

強制する療育が効果ゼロの理由(1)〜自閉症スペクトラム児の神経ネットワークは定型児とは違う~

こういった動画などで、療育において厳しく躾けるのはよくないという話をすると、「じゃあほっとけばいいというのか?」というピント外れなコメントが来たりするのですが、放任がよくないことは火を見るより明らかです。

要は、厳しく躾けなくても、子どもを伸ばすことはできますし、それができるのがプロです。

もちろん色々なお考えの保護者がおられますので、「躾けるべきだ」という方がおられても、それはそれでいいと思います。

親がきちんと考えた結果、厳しく躾ける方針でいくなら、私たちはそれを「おかしい」というつもりはありません。親の選択の自由です。

ですが、「やっぱり厳しく躾けるのは間違っているのでは?」と悩んでいる方がおられたら、ぜひ参考にしていただければと思います。

以上「定型発達のお子さんに、無理に合わせさせて行く」という取り組みや「厳しく躾ける療育」は効果がないということについてご紹介しました。

楽しい子育てがしたいなら、どうぞご見学にお越しください

私たちの療育に関心をお持ちになりましたら、見学にお越しいただければと思います。

ゆずのスタッフは、経験則や漠然とした感覚で療育を行っているわけではなく、医学的根拠を踏まえて発達評価や検査を行い、その子に合ったプログラムを実施しています。

加えて私から(あるいは児発管から)、なぜ強制したり厳しく躾ける療育が効果がないのか、といったことについて、ここで書いているよりももっと具体的にご説明します。

また、見学時にお子さんの様子を拝見した上で、お子さんの特性や関わり方のコツなども、併せてご説明したいと思います(お申込み時に、療育について相談したい、とお知らせくださいね)。

療育に悩まれている方も、ぜひ私たちに会いに来てください。

私たちは、私たちを信頼してくださる方に対しては、ホスピタリティの気持ちを持ち、子育てが楽しくなるためのバックアップをしていきます。