豊能町さんの巡回相談に行ってきました
ゆずのおっちゃんは、大阪府豊能郡豊能町さんの「発達が気になるお子さん」のための巡回相談事業の「運動発達相談」を担当しています。
町内の3園を順次周り、保育士さんや幼稚園の先生方の「発達の気になる子」について評価を行い、今後の手立てについて担任の先生方と一緒に方向性を決めていく、という仕事内容です。
今回伺った、ひかり幼稚園さんでは、巡回相談の時間に保護者の方にも一緒に入っていただき、お子さんの運動チェックや発達の気になる所などのご相談にお乗りしました。
情報交換や共有が重要だが、専門家は連携が苦手
動画の中でもお話していますが、幼児は、からだ・ことば・こころの3つが連動して発達していくので、運動発達を見るときも運動面だけを見ているだけでは、適切な評価ができません。
換言すると、「子どもをまるごと評価する」ことが何よりも大切、ということです。
まるごと評価するためには、子どもに関わる色々な人が意見や知恵を出し合い、情報交換や共有を行っていくことが重要になります。
しかし、残念なことに、専門家(ここでは療育の専門家)の多くは、「他部門との連携が苦手」という事実があります。
要は、自分の領域(専門分野)では専門性を発揮できるけれど、「色々な職種や立場の人とやり取りをしながら、時には自分の意見を出したり引いたりしながら、方向性をまとめていく」ことは苦手な人が多いです。
連携を上手く行ってくれるコミュニケーション能力の高い専門家に担当してもらうことができれば、お子さんの能力を最大に引き出してくれます。
一方で、連携下手な専門家にかかってしまうと、お子さんの発達に広がりはでません。
ここのところは、あまり気付かれないことでありながら、実はものすごく大切なことです。
なぜなら、幼児期に適切な関わりを行うかどうかで、お子さんの将来が変わるといっても過言ではないからです。
専門家を見極める目を持とう
お子さんの能力や才能を最大まで引き出してあげるために、連携の重要さを知っていて、連携を得意とする専門家に担当してもらうようにしましょう。
そのためには、保護者の方が「専門家を見極める目」を持つことが求められます。
専門家を見極める目は、一朝一夕で身につくものではありません。
しかし、少しの意識をして療育にかかるだけで、その目は養われていきます。
どう意識するかはたくさんありますが、1つお教えします。
それは、「療育で行っていることについて、積極的に質問をする」ことです。
何かのセラピーを受けていたら、「今やっているプログラムは、この子にどんな効果があるのですか?」などと聞いたり、「半年くらい先の目標はどのあたりに置くと良いでしょうか?」と将来の目標設定を聞くなども良いでしょう。
その時に、納得ができる答え(たとえ断言ができない答えであっても一所懸命答えようとしてくれるなど)をもらえるようであれば、安心です。
なぜなら、「保護者からの質問に真摯に答えようとしてくれる人」は、「自分(担当者)と保護者の連携が大切」と捉えているからに他ならないからです。
ちなみにこの「見極める目」があれば、進路先を探すときにも役立ちます。
「我が子を受け入れてくれそうかどうか」「困った時に担任の先生や学校内だけで解決しようとするのではなく、外部の専門家とも連携を取ってくれそうなのか」といった視点を持って、学校訪問すれば自ずと見えてくるものがあります。
また、これからお子さんに関わってくれる人の中で、有益な人と無益な人の見極めもできるようになります。
幼児期は、お子さんの発達を促すだけでなく、保護者の方もしっかりと子育てや療育の方向性を学んでいただくための重要な時期です。
ぜひ、「親子で学ぶ」を実践してください。