発達障害児のための個別学習塾「寺子屋ゆず」2024年4月リニューアルOPEN!

はじめまして!ゆずの作業療法士、小原久幸です。ゆずの療育における作業療法士の役割についてご紹介します!

ゆずのブログをご覧になっている皆様、はじめまして。

今年度、ゆずに入職した作業療法士の小原久幸です。

この度、“ゆずのおっちゃん”こと、代表の西村から「折角だから、作業療法士としてゆずのブログで何か発信してみては?」という話をいただいたので、個別セラピーだけでなく、こちらのブログにも参画させていただくことになりました。

どうぞよろしくお願いします!

 

さて皆さん、いきなりですが、「作業療法」という言葉に対して、どのような印象をお持ちでしょうか?

「初めて聞いた…」「いや、リハビリのことだよね?」など、色々だと思います。

今回は初投稿ということもあるので、私、作業療法士の小原が、自己紹介を兼ねて「そもそも作業療法とは?」「作業療法は子どもの発達にどう関係するの?」ということをお伝えしていきたいと思います。

 

まず作業療法という言葉ですが、日本では「作業療法は、人々の健康と幸福を促進するために、医療、保健、福祉、教育、職業などの領域で行われる、作業に焦点を当てた治療、指導、援助である。作業とは、対象となる人々にとって目的や価値を持つ生活行為を指す(日本作業療法士協会の定義)」となっています。

…わかりにくいですよね(笑)。

もう少し分かりやすく言うと「作業療法とは、その人の『こうしたい!』と思うことを手がかりにして、人生をより良くするためのお手伝いをするお仕事」だと言えます。

 

「一般的なイメージの作業療法(大人の方への作業療法)」で説明します。

例えば骨折した主婦の方から「日常生活に戻りたいです」というご希望があれば、まず「日々の生活で、こういう家事をして、外の仕事ではこういう作業をしていた」という具体的な内容をご本人から聞き取ります。

聞き取り内容に加え、作業療法的な評価を行い、その内容に見合うように家事や作業の練習をしたり、サポートグッズを提案します。

加えて、ご家族に対してのアドバイスを行うこともあります。

このような一連の流れを経て、元の生活に戻っていただくことが作業療法なのですが、これがいわゆる「リハビリ」的なイメージの作業療法です。

「なるほど、作業療法はしたいことできるようにするためのリハビリなんだな」と思っていただけたでしょうか?

 

では、「大人にするリハビリと、子どもの療育で行う作業療法って全然違うんじゃない?」という疑問が浮かんできたりしませんか?

…ズバリ、その通りです!

大人と違い、発達途上の子どもは、上に記したように具体的に「こうならないといけない」などのイメージはまだありません(発達している最中だから、「元の生活に戻る」という感覚はないですよね)。

では、作業療法士は子どもに対してどのように関わっていくのでしょうか?

 

1つ目の取り組みとしては「子ども自身に対して、子どもの内側にある『これしたい!』というエネルギー(自分の気持ち)を引き出せるようにする」ような関わり方です(ちなみに子どもが感じる『これしたい!』は、大人が考えるものとは違う場合が多いです)。

2つ目の取り組みは、「そのエネルギー(自分の気持ち)の引き出し方を、お母さん・お父さんをはじめ大人皆で共有していく」という関わり方です。

 

これらの取り組みを行うために作業療法士は、ゆずの「遊びの中にこそ最強の療育がある」という考え方のもと、専門性を持ちながら遊びに参画していきます。

もちろん根拠に基づいた療育実践を行うため、ただ遊ぶというだけでなく「この遊びの中で、本人がしたいことをできるようにしていくためには、どのようにすれば良いか」ということを、段階を踏んで、提示できるように取り組んでいます。

また、保育士さんとチームを組んで療育を行う際、遊びの効果を出すために「その遊び(課題)の医学的根拠を提示する」といった「縁の下の力持ち」としての役割もあります。

もちろん、私も(遊びの専門家である)保育士さんの遊びプログラムや展開の仕方を見て、その方法を真似させていただくこともしばしばです(笑)。

 

ということで、要点を三つにまとめますと、

  1. 作業療法とは、その人の「これしたい!」という気持ちを手がかりに、その人の人生をより輝かせることを目標にしている。
  2. 療育における作業療法は、子どもの「これしたい!」という気持ちを引き出すために、子どもの自主性を引き出し、同時に保護者の方へのアドバイス等も行う。
  3. ゆずの療育における作業療法士の役割は、子どもたちの「これしたい!」を引き出すために、遊びの医学的根拠を保育士さんやその他の関係者へ伝えていくという裏方の仕事を担う。
といえます。

少し長くなりましたので、今回はここまでにしたいと思います。

これからも、日々感じること、より専門的な話など、色々なお話ができればと考えています。

どうぞよろしくお願いします!