
こんにちは。発達支援ゆず 苦楽園ルームのこやまです。
先日実施した「ゆず祭り」では、子どもたちの楽しそうな笑顔がたくさん見られました。
でもその“たのしい!”の裏側には、実はひとつひとつの遊びに「発達を育てる」ねらいが込められています。
今回は、当日のコーナー遊びを通して取り組んだ内容や、療育的な目的についてご紹介します。
ゆず祭りに先立って、お祭り遊びの目的を保護者様にお知らせするパネルを療育室内に掲示しました。
掲示した日から、保護者様は近くで熱心にご覧になってくださいました。
ここからは、各遊びに込められた“ねらい”を一つひとつご紹介していきます。
すいかわり(ボディイメージ)

目的の一部:
- 人とのやりとりの中で「助言を聞く」ことを学ぶ
- 体幹の安定や姿勢の保持
- 適切な力の加減や動きのコントロール(振り上げる・下ろす)
- 前後左右の理解(言葉がけに合わせて動く)
ねらい:
スイカの模型をめがけて棒を振る遊びを通して、身体全体の使い方や、自分の位置感覚、他者とのコミュニケーションを育てます。
スーパーボールすくい(手首の動き)

目的の一部:
- 他者とやりとりしながら選ぶ(社会性)
- 目と手の協応や、手首の動き
- 道具(スプーン)を使う・入れる
- 数や色の認識、複数から選ぶ力
ねらい:
小さなスーパーボールをすくって運ぶ活動で、手先の動きのコントロール、集中力、色や数の認識力を高めます。
チケット&スタンプ(やりとり)

目的の一部:
- チケットの受け渡しを通しての対人コミュニケーション
- 手先のコントロール(枠内にスタンプを押す)
- 始まりと終わりの見通し、順番を選ぶ力
- 成功体験(ハンコを集める)
ねらい:
遊びの順番や内容を自分で選びながら、計画的に行動する力や人とのやりとりを経験します。
かえるとばし(下に押す力)

目的の一部:
- ルール理解
- 指で押し出す反発力の体験
- 距離感や動くものを見る力
- 数の理解と達成感
ねらい:
指先に力を込めて飛ばす遊びを通して、手指の操作性や空間認知の力を楽しく育てます。
おみこし(引っぱる力)

目的の一部:
- 協力して動かす・伝統行事への関心
- 力加減、バランス、腕の筋力
- 立体物への意識、後ろへの注意、色の認識
ねらい:
友だちと協力して運ぶ中で、バランス感覚・力加減・人との関わりを学びます。
チョコバナナづくり(巧緻性)

目的の一部:
- お店屋さんの役割になりきる(社会性)
- 指先で小さな素材をつかむ、巻く、放す
- 感触を楽しむ、形や色の認識
ねらい:
細かい作業を通じて、指先の使い方や創造力、役割を意識する経験が得られます。
提灯づくり(変化を楽しむ表現)

目的の一部:
- 表現活動を通じた参加意識
- スプレーや筆の使い方のコントロール
- 色の混ざりや紙の素材感の違いを知る
- 色名の学習
ねらい:
素材や色の変化を楽しみながら、自分なりの表現をする経験ができます。
ボール投げあそび(下半身から上半身へ)

目的の一部:
- ルールの理解
- 下半身と上半身の連動、ボディコントロール
- 両手の協応、距離感、色や数の認識
ねらい:
身体全体の連動を意識しながら、動きのコントロールや空間把握を育てます。
いかがだったでしょうか。
一つの遊びに、こんなにたくさんの遊びの効果があります。
療育だからといって特別なことをするのではなく、遊びを通して発達を促していきますが、ここで大切なことは「遊ぶことだけに終始するのではなく、目的を持った遊びを、お子さまに合わせて調整してあげること」です。
それこそが、一人ひとりに合った最も効果的な遊びにつながり、そのお子さまの発達を最大に引き出すことにつながります。
また、ゆずでは、親子同室の療育を行っていますが、これは保護者の方とお話しする時間を大切にしているからです。
お話の中で、今回のような遊びの目的やねらいを丁寧にお伝えしながら、お子さまの変化や成長を一緒に喜び合い、今後の課題や見通しも共有できるよう心がけています。
この方針は、苦楽園ルームだけのものではなく、ゆずの各ルームすべて同じ考え方です。
お住まいの地域によってご利用されるルームは違いますが、「ゆずの方針は一つ」です。
安心して、ご利用くださいね。