こんにちは。ゆず代表の西村猛(通称:ゆずのおっちゃん)です。
今回は、「ゆずの療育の考え方と、そんなゆずに療育にぴったりな支援者」について、ご紹介します。
発達支援ゆずの療育にご関心を持ってくださっている方のご参考になれば嬉しいです。
ゆずの療育の考え方
ゆず=保護者支援、と言われるほど、保護者へのサポートに力を入れています。
イメージで言うと、エネルギーの7割を保護者支援に割いています。
なぜ、それほどまで保護者支援に力を入れているかというと、子どもの発達に保護者の存在は、切っても切れない関係だからです。
例えば、初回ご見学の時を見ると、その事がよく理解できます。
見学に来られた時、お子さんだけでなく、保護者の方も緊張しています。
ここはどんなところかな?WEBサイトで見ていた印象と同じかな?厳しく言われることがあるのかな?など、ドキドキされている方も多いです。
その時お子さんはどうかというと、やはりぎこちない感じで、部屋の隅でおもちゃで静かに遊んでいたりします。
お子さんも緊張しますよね。
さて、ご見学が進んでいきます。
ゆずでは、ご見学の時間を40分〜50分程度お取りして徹底的に保護者の方からの聞き取りを行っています。
やがて15分ほど経過する頃には、保護者の方もリラックスされたり、児発管との会話で思わず笑い声が出たりします。
そうすると、お子さんに変化が見られます。
部屋の隅で静かに遊んでいた子が、スタッフとボール投げをしたり、追いかけっこをしたりといった体を使った活動を始めるようになります。
もちろん、それに比例して声もよく出るようになります。
これは、紛れもなく保護者が変われば、子どもは変わる、なのです。
「お母さん(お父さん)が、楽しそうに話している」→「ここは安心できる場所なんだ」→「私も楽しもう!」という流れで、お子さんは活発になっていくといえます。
さらに、保護者の方は、児発管とわが子のこれまでの歩みについて、振り返りを行うことができたため、「忘れていた我が子の良さ」や「これまで自分が頑張って子育てしてきたことへの自信」などを感じることにつながります。
もちろんそれが、お子さんにとって、さらにプラスになることは言うまでもありません。
だから、ゆずでは「まずは保護者支援から」を謳っているのです。
ゆずでは、「リッツカールトンホテルのようなホスピタリティを」をスローガンに、療育におけるホスピタリティを追求しています。
ホスピタリティとは、「ご利用者が期待している以上のサービスを提供すること」「ご利用者でさえ気付いていない、本当に必要なことを見つけ、提案していくこと」と定義されます。
ホスピタリティは決して高級ホテルや高級レストランだけのものではありません。
子育てという領域においても、大切にするべきことだと考えています。
その理由は、「保護者の方に大切にされる喜びを感じていただくこと」が大切だと思っているからです。
お子さんを大切にする、というのは、どの療育事業所さんでも実践されているでしょう。
ですが、私たちはそれ以前に、それ以上に、保護者の方を大切にすることが大切だと思っています。
その理由は簡単です。
大切にされる喜びを感じた保護者の方は、我が子を大切にしてくれるからです。
つまり、「大切にされた嬉しい気持ちの、我が子へのおすそ分け」につながるからです。
「療育にホスピタリティなんて」と思われるかもしれませんが、療育だって「人に向き合う仕事」という意味では、ホテルやレストランと同じです。
そして何より、ホスピタリティある対応を行ったとき、保護者の方がとても喜んでくれたという体験は、支援者であるあなたにとって、かけがえのない貴重な体験となり、あなたの人生の充実にもつながることでしょう。
子どもの発達を促していくことや、地域社会での生活が少しでも楽しくなるための手立てを考え実践することが、療育事業所の役割です。
その観点から考えると、子どもの課題や目標、手立てを考えていくことが重要になります。
では、課題を整理し、目標を立て、具体的な手立てを提案していくために必要なことはなんでしょうか。
それは、お子さんを正しく評価することです。
評価ができれば、目標設定は簡単に行えます。もちろん具体的な手立ても出てきます。
その評価とは、客観的であることが重要です。
決して、支援者の「そう思う」や「これまでそういう子が多かった」というものではありません。
例えば同じASDという診断がついていても、ASDの特性も違えば、育った環境も違います。
誰一人として同じ子どもはいないのです。
そのため、主観的な評価は、汎用性がないため、お子さんの見立ての根拠としては不十分となります。
また、保護者の方にお子さんの状況を伝える際にも、客観的な評価(視点)は必要になります。
なぜなら、客観的ではない伝え方になると「保護者の方が、正しくお子さんを理解できない(もしくは我が子の特性や関わり方を間違えて理解してしまう)」「担当者によって言うことが変わることで、保護者の方が混乱してしまう」などの問題につながります。
保護者の方が支援者の客観的な評価を正しく理解できれば、それは日々の子育ての中で活かされていくでしょう。
それが、正しくお子さんを伸ばすことにつながっていくでしょう。
その視点からも、ゆずでは主観ではなく客観的にお子さんを評価する仕組みを導入し、スタッフ間での意思統一を図っています。
この記事をお読みの方の中には、今療育事業所に勤務されている方も多いことでしょう。
そして、その中で人間関係に悩まされている方もいるのではないでしょうか。
発達支援ゆずの行動指針の一つに「スタッフ同士、お互い様の気持ちを持って仕事をする」というものがあります。
一人の自分勝手な行動が、同じルームだけでなく、ゆず全体の士気を低下させ、ひいてはサービスの質の低下につながってしまいます。
それは、ゆずの療育を信じて通ってくださっている利用者の方の期待を裏切ることにもつながります。
スタッフ同士は、敵ではありません。
困った時は相談しえあえる、助け合える「仲間」だと思っています。
これは何も決してベタベタと仲良くなれと言っているのではありません。
困ったときに相談しあえる関係、お互い様の気持ちで助けあえる関係を構築する、という意味です。
例えば、ご利用者から苦情があったとします。
その時に、苦情を受けた人の責任にされてしまうのではなく、苦情が発生した理由を分析して、どのように改善すれば今後同様の苦情を防ぐことができるのか、といった視点で話し合いができるような環境作りが大事だと思っています。
つまり何かあったときに、誰かに責任を押し付けるのではなく、チームとして問題や課題に向き合っていくという姿勢が大切だと思っています。
それを実践するためには、「お互いを尊重し合う気持ち」がポイントになると考えています。
え?もし自分勝手な行動を取る人が出てきたら、どうする?ですって?
もちろん、指導を徹底します。
「お互い様の気持ちで仕事をしてください」と伝え、改善されるまで何度でも伝え続け、修正を求めます。
こちらが絶対に折れない(身勝手な仕事の仕方は許さない)という姿勢を提示すれば、必ず変化は起こります(ここに切り込めるかどうかは、運営者の覚悟の問題だと思っています)。
またゆずでは、人事評価制度を導入していますので、繰り返し指導しても改善が見込めない場合は、人事評価に反映します。
ゆずでは、「言ったもの勝ち」「しなかったもの勝ち」は通用しません。
ゆずにぴったりな支援者
採用基準においては、スキルの高さはあまり重要ではありません(もちろん一定のスキルは必要です)。
実際に療育実践はゆずが初めて、というスタッフも複数います。
きちんと学んでいけば、スキルはすぐに高まります。またスキルを高める研修は、たくさん実施しています。
それよりも、ゆずの理念に賛同してくださり、上記でも記載したように「お互い様の気持ち」を持ち、療育支援者という仕事を楽しみたいと思っておられる方かどうか、が最も大切だと思っています。
その観点から、ゆずにぴったりな支援者像(ゆずでの仕事を楽しめる方)をご紹介します。
- 明るい方
- 優しい方
- お互い様の気持ちで仕事ができる方
- 言葉遣いが綺麗な方
- これまでの仕事において「お局様」で嫌な思いをされた方
- 自分の機嫌を自分で取れる方
- 保護者支援は大切だと思っている方
- 客観的な評価手法や考え方を学びたいと思っている方
- 学ぶことが楽しいと思える方
- 子どもをコントロールする療育は間違っていると思っている方
- 療育支援者という仕事を選んで良かったと思っている方、そう思えるようになりたいと思っている方
ゆずでは合わない支援者
ご参考までに、ゆずには合わない支援者の特徴を記載します。
- すでにお局様としての地位を築いている方
- できない理由ばかり言う方
- 能力が未熟なスタッフを馬鹿にする方
- 子どもに「舐められないようにしないといけない」と思っている方
- 厳しくすれば子どもは言うことを聞くと思っている方
- 療育は子どもと遊ぶこと、と思っている方
- 「あの保護者は分かってない」が口癖の方
- 自分の失敗をすぐ誰かのせいにする方
- ギブアンドテイクではなくギブばかりを求める方(テイカーの方)
よく考えてみたら、ゆずに合わないというよりも、どこの職場でも合わない人のような気がします(笑)。
より詳細を聞いてみたいと思われたら
いかがだったでしょうか。
ゆずの考え方など、少しでも知っていただけたら嬉しいです。
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