発達支援ゆず代表の西村です。
私はこれまで、多くの方の求人面接を実施してきました。
その中で、「惜しいなあ。イメージ崩しちゃったなあ」という方や、反対に「こんな優秀な人、ぜひ入職してほしいなあ」という方まで、色々な方と向き合ってきました。
そこで、今回は、面接官の立場から療育事業所の求人に応募しようと考えておられる方に向けて、「避けた方がよい対応」3つをご紹介します。
ぜひ、お読みいただき、これからの就活に活かしていただければと思います。
なお、この3選は、私の個人的意見がぎっしりです(笑)。
そのため、この通りに行動されて失敗したからといって、私に苦情を言ってこられても困ります(笑)。
自己責任でお願いします。
【避けたほうがよいこと①】前職の悪口を言う
「なぜ、今の職場を辞めて、弊社を受けようと思われたのですか?」という質問は、ほぼ100%出る質問だと思います。
その時にあなたは、どのように答えますか?
①「今の職場は、自分のやりたいことができないと感じています」
②「御社では自分の理想とする仕事(療育)ができるのではと感じたからです」
③「現職場のオーナーは、利用率(売上)のことばかり言って、きちんと療育をする気持ちがないように感じています」
もしこのような発言を考えているなら、やめておいた方がいいと思います。
これらはすべてアウトになる確率が高い発言です。
なぜなら、「この方は、他責の方だな」と思われてしまうからです(少なくとも私は、こういった発言があった時点でそう思います)。
①「今の職場は、自分のやりたいことができないと感じています」
→今の職場の中で、「どうすればできるようになるか」は考えず、トライもしなかったの?と思ってしまいます。他責の人なの?と思われてしまいます。
もしトライしたことがあったのなら、それを伝えるようにしましょう。
面接官は「工夫ができる人だな」と判断してくれるでしょう。
できない、ではなく、どうすれば出来るかを考えてくれる人では?と高評価につながります。
「御社では自分の理想とする仕事(療育)ができるのではと感じたからです」
→一見好印象の発言に聞こえますが、「理想とあっていなかった場合は、やはり辞めてしまうのだろうか?」と思われてしまうリスクがあります。
※理想が合致するのは、とてもいいことです。ですが、「御社の理念に賛同した」というのと、「御社は私の理念と同じだ」というのは、全く別ものです。
弊所でも経験があります。
「子どもの療育を一から学びたい。御社は個別療育・保護者支援に力を入れておられるので、とても魅力的に思います。ぜひ学ばせてください」と仰って入社した方がおられました。
言葉通り、日々の療育を熱心に実践されていたのですが、半年以上経過したある日、「ゆずの療育理念は?」と聞いたところ、以下のような返事がありました。
「ゆずの療育理念は・・・・。ちょっと知らないです」
へっ?!研修や日常の中でも、何度も触れる機会のあった理念が答えられなかったのです。
そうなのです。
弊所の療育理念にそってお仕事をしていただいていたのではなく、「自分の子どもを見るスキルを上げるために、ゆずを使っていた」ということだったのです。
裏を返せば、個別療育ができて、色々教えてくれる事業所だったら、どこでも良かったということだったのです。
結果、「我流の療育」になってしまっていたのでした。
さすがに私も凹みました。
面接時にこれを見抜くことができていれば・・・と。
このような体験から、「学びたい」との希望で弊所面接に来られる方には、単に学ぶことだけを求めているのか、理念にそってお仕事をしていただける方なのかを見極める質問をするようになりました(質問内容は企業秘密です笑)。
「現職場のオーナーは、利用率(売上)のことばかり言って、きちんと療育をする気持ちがないように感じています」
→オーナーは売上を確保する(利益を確保する)ことが、最大の仕事です。利益がないと社員へ還元できないですからね。
会社の仕組みを理解していない人だな、と思われてしまうリスクがありますので、収益に関することやオーナー批判などの話題は避けたほうがいいでしょう。
面接官は、未来の話を聞きたいのです。
つまり「自社のどこに賛同してくれたのか」「自社でどんなことをしていきたいのか」が聞きたいのです。
前向きな発言は、最も好印象につながります。
また、これまでには、つらいことや理解してもらえなかったこともあったと思いますが、そのときに「どのようにして、その壁を乗り越えようとしたか」ということをお話することで、面接官は「この方は今の現状に不満を言うのではなく、前向きに努力される方だな」と、よりあなたに興味や関心を持ってくれると思います。
【避けたほうがよいこと②】「他にも受けています」と言う
他に受けてはいけない、と言っているのではありません。
複数受けるのは、安全確保の意味からも大切なことです。ご自分の人生ですから大切なことだと思います。
問題は、それを面接で言うことです。
なぜなら、面接官は「御社しか受けていません!」と聞いても、「あ!そうなんだ、良かった。安心した」なんて思わないからです。
だからこそ、「他にも受けています」と言った瞬間、面接官は不安になるはずです。
「他に受けているところで内定が出たら、そっちへ行くかもしれないな。じゃあ急に人が足りないという事態になるかもしれないな。リスクが高いので、この方は避けておこう」と事業運営の観点から、ネガティブな思考になることもあります。
もちろん、他に受けていますと言われなかったとしても、「普通は他にも受けているよね」というくらいの気持ちで考えています。
「いつ内定を辞退されることになるか分からないな」と予防線を張っているのが普通です。
そんな状況で自ら「他にも受けています」と宣言することは、面接官からするとプラス要因になることは、ゼロです。
いわゆる「口が滑る」ことがないように、注意が必要です。
【避けたほうがよいこと③】質問しない、または質問はないですか?と聞かれ「特にないです」と答える
面談の中で、「全く質問をしない」のはあまり好印象にはつながらない、ということは誰もが理解できることだと思います。
適宜、話の中で「◯◯について、もう少し詳しく教えていただきたいのですが」「△△について、お尋ねしてもよろしいでしょうか」など質問を入れていくことで、面接官は「目的意識を持って、うちの会社に応募して来てくれたな」と良い印象を持ってくれると思います。
また、話の区切り、あるいは面接の最後に「質問はありますか?」と聞かれる場面があると思います。
面接官が「質問はありますか?」と聞く理由には、2つの意味があるからです。
- こちらの伝えた話しがちゃんと伝わっているか(こちらが上手く説明できているか)を知りたいから。
- 応募者の状況判断力やまとめる力を知りたいから。
①の質問に対しては、(特に内容に問題がなく、理解できていれば)無理に「あります!」という必要はありません。
しかし、答え方として「ありません」だと、「この人は自主性がないのかな?」と誤解されることにもつながります。
話の内容をきちんと理解できている場合は、以下のような答え方がいいでしょう。
「ありがとうございます。分かりやすくお話してくださいましたし、適宜ご質問させていただきましたので、よく理解できました。御社が大切にしていることは、◯◯や△△の部分であるということがよく分かりました。ですので、特に補足でお尋ねしたいことはございません」
このように答えると、「理解をしてもらえたな」と判断され、質問はありませんという答えが、むしろ「理解力がある方のようだ」という認識につながる(つまり好印象になる)ことも考えられます。
もちろん、もう少し知りたい、もう一度説明してほしい、と思うことがあれば、遠慮なく聞けばいいです。
だって、面接官が質問はありますか?と聞いているのですから、「聞いていいのかな?」なんて遠慮する必要はありません。
むしろ、きちんと知りたいことを質問することで、「この方は、うちでの仕事をきちんと理解しようとしているな」と、これもまた好印象につながるからです。
②については、面接の最後にこの質問をすることで、応募者の方の「全体を振り返る力」や「自分を客観的に見る力」を見ようとしていることがあります。
数十分の面接を通して、全体を振り返り、その中で聞き漏らしたことがないか、自分が聞きたいと思っていたことは聞けたか、などを瞬時に見極め、漏れがあればきちんと質問する、といった力があるかどうかを見ています。
もちろん、振り返りの中で、「聞き漏らしたことがあった」と思えば、「一つお尋ねさせていただきます」と答えましょう。
面接官は「疑問点をそのままにせず、きちんと理解しようとしている方だな」と好印象を持つでしょう。
つまり、質問の有無で判断しているのではなく、あるならあるで、どのように答えるか、ないならないで、どのように答えるか、という「答え方」を見ています。
以上、私の経験から見た、「面接時に避けたほうがよいこと3つ」をご紹介しました。
要は、自己視点に立って話すのではなく、相手(面接官や相手の会社)の立場にたって話すことがポイント、ということになります。