療育は診断なしでも使える?グレーゾーンの子を持つ親が知っておきたいこと【元・療育センター言語聴覚士が解説】

こんにちは。発達支援ゆず代表・言語聴覚士の西村千織です。

これまで私は発達障害専門の言語聴覚士として、ボバース記念病院等の病院勤務を経て、姫路市総合福祉通園センターで、27年にわたりのべ数万回の個別言語聴覚療法を行ってきました。

療育センター時代には、療育をはじめて受けるご家族が多く通われていたことから、発達検査にも多く携わってきました。

そこでは「療育をはじめるように医師から言われたが、何から始めればいいかわからない」といったたくさんのご相談をお受けしてきました。


そして、今発達支援ゆずのご見学者さまから多くいただくのが「療育は受けたほうが良いのですか?」というご質問です。

今日は、これまでの現場で見てきた経験をもとに、「療育って受けたほうが良いの?」といった疑問に、できるだけわかりやすくお答えしたいと思います。


最初に結論からお伝えします

今これを読んでくださっているあなたも、もしかしてこんなふうに思っていませんか?

「うちの子、ちょっと気になることはあるけど。。。診断もついていないし、療育なんて大げさかな。」

そう思って、ずっと一人で抱えていませんか?

「同じ年齢の子と比べると、少しことばが遅い気がする」
「集団に入ると、なんとなく浮いている感じがする」
「癇癪が激しくて、どう関わればいいのかわからない」

でも、かかりつけ医には「様子を見ましょう」と言われ、保育園の先生には「個性の範囲内だと思いますよ」と言われる。

それでも、「なんとなく気になる」という感覚。

そんなときは、安心するための選択肢の一つとして、療育を考えてみても良いかもしれません。

療育を利用するのに診断名は必要ありません。

そしてもうひとつ、大切なことをお伝えします。

療育は、「子どもを預けてただ待つ場所」ではありません。

ゆずの療育は、お母さん・お父さんも一緒に育ちあえる場所です。

そもそも「療育」って何?

「療育」と聞くと、「障害のある子が通う場所」というイメージを持つ方が多いかもしれません。

でも実際は、そうではありません。もっと広い意味を持つ言葉です。


療育とは、発達が気になるお子さんや、育てにくさを感じているお子さんが、その子らしく育っていけるよう、専門家と一緒にサポートする場所のことです。

「何かを治す」というより、「このお子さんの今を正しく理解して、これからの関わり方を一緒に考える」というイメージがより近いと思います。


ちなみにゆずが大切にしているのは、子どもの支援と同じくらい、保護者の支援に力を入れること

「叱らなくてもうまくいく関わり方」「子どもが自信を持てる声かけ」。

そういった具体的なヒントを、その場で一緒に学んでいただける場所がゆずです。

診断名がなくても使える? 受給者証の仕組み

療育を利用するときに必要になるのが、「受給者証(障害児通所支援受給者証)」です。

これは自治体(市区町村)が発行する証明書で、これがあることで福祉サービスとして療育を利用できるようになります。

ここで多くの方が誤解されているのですが、本来受給者証の取得に、医師からの診断書や障害者手帳は必ずしも必要ではありません。

自治体の担当課が「このお子さんには支援が必要だ」と判断すれば、診断名がなくても発行されるケースがあります。

また、医師の「意見書」があると申請がスムーズになることはありますが、それも診断書とは別のものです。「発達について気になる点がある」という内容の意見書であれば、かかりつけの小児科医が書いてくれることも多いです。

「診断がついていないから、うちは関係ない」というものではありません。まずは療育と診断は切り離して考えてください。

 最近は診断書が必要な場合が増えています

最近は、自治体担当者から「診断書を提出してください」と言われることが増えています(神戸市もそのように変わってきています)。これは診断がないと受けられないというものではなく、「療育を習い事のように受けられる事例」も見られることもあるため、こういった利用を抑制し、「必要がある方に十分なサービスが届くように」というのが主旨ですう。

こんなお子さんが、ゆずに通っています

実際にゆずをご利用いただいているお子さんも、診断名のない方がたくさんいます。

たとえば、こんなお子さんです。

  • ことばが同じ年齢の子より少し遅い気がする
  • 集団の中でなかなかなじめず、いつも端っこにいる
  • 音や光に敏感で、大きな声や賑やかな場所が苦手
  • 着替えや食事に時間がかかり、毎朝バタバタしてしまう
  • 切り替えが苦手で、「もう終わりだよ」のひとことでパニックになる
  • 保育園や幼稚園の先生から「少し気になります」と言われた

どれも「診断名」ではなく、日常の中で感じる「困り感」ですよね。

ゆずでは、こうした日常の困りごとを丁寧に聞き取り、言語聴覚士・理学療法士・作業療法士・保育士が連携して、お子さんのことを多角的に見立てます。

「なぜこの子はこういう行動をするのか」という理由がわかると、大人の関わり方も見てきて、ご家庭での関わり方も自然と変わっていきます。

「様子を見ましょう」と言われているあなたへ

「様子を見る」こと自体は、決して間違いではありません。

でも、待っている間にも、お子さんは毎日育ち続けています。

早い時期に専門家と関わることで、得られるものがあります。


たとえば、お子さんの行動の「理由」がわかることで、親自身の関わり方に余裕が生まれることがあります。

「どうしてこの子はこんなに癇癪を起こすんだろう」と悩んでいたのが、「ああ、こういう感覚が苦手だったんだ」とわかるだけで、気持ちがすっと楽になる。

そんなお声をよく聞きます。


ゆずに通うお子さんの保護者からは、こんな声をいただいています。

「子どもに優しく、親にも寄り添ってくださるのが嬉しいです」

「子どもは先生方のことが大好きで、毎週ゆずに通うことを楽しみにしています」ュ

「心に寄り添った療育に感謝しています」


療育は、「診断を確定させるために行く場所」ではありません。

「今の困りごとを一緒に考えて、明日からの関わり方のヒントをもらいに行く場所」です。


また様子を見てみましょう、だけでは「何をどう見るの?」と思われるでしょう。

実は「様子を見ている間にしていただきたい2つのこと」があるのですが、こういったことを知っていただく意味でも、療育はあります(この2つについては、YouTube動画で解説する予定です)。

ゆずが大切にしていること。「親子が主役」の療育

ここまでお読みになって「じゃあ、療育に通ってみようかな」と思われた方にお伝えしておきたいことがあります。

ゆずには、一般的な療育施設とは少し違う考え方(理念)があります。


それは、「お母さん・お父さんの安心と笑顔を最優先にする」ということ。

「保護者ファースト。お子さんはその次」がゆずの療育です。


その理由は、「保護者の方が我が子を理解すればするほど、お子さんは好転する」からです。

これは、私のど27年の言語聴覚士としての臨床経験からも、本当に実感している事実です。


保護者の方が我が子の行動の理由や困りごとを理解すれば、「どうすれば上手くいくか」ということにつながります。

それを療育で一緒に考えていき、都度ご家庭で実践していただく。そしてまた私たちにフィードバックしていただく。

この繰り返しで、どんなお子さんでも着実に伸びていきます。伸びない子なんていないのです


子どもだけを別室で支援する療育も多い中、こういった理由で、ゆずでは保護者の方に同席していただき、「今日の療育でどんなことが起きていたか」「どう声をかけると伝わりやすいか」を、その場で一緒に確認していきます。

そして、ゆずグループ代表の理学療法士西村猛がよく言っている言葉。

「我慢なんかさせなくてもいい。心を鬼にしなくてもいい。楽しみながら、お子さんの発達が最大限に引き出される。それがプロです。それが、ゆずの療育です」

ゆずの療育は、子どもに我慢を強いるプログラムはありません。

でも、子どもが好きなように遊んでいるだけの療育でもありません。


調子いただき自由に遊んでいるように見えて、実は課題にアプローチし、日常の困りごとを減らしていく関わりを(お子さんには気づかれないように)上手く散りばめています。

だからゆずに通うお子さん(ゆずっこ)の中には「また行きたい!」と言う子どもがたくさんいるのです。

それは、ゆずがお子さんにとって否定されない、安心できる第三の居場所(サードプレイス)になっているからです。


「ありのままのこの子を認めてほしい」「この子がのびのびと育つ姿を見たい」

そう願っておられるすべての保護者の気持ちに、ゆずは応えたいと思っています。

まとめ

診断名の有無にかかわらず、困っていることがあれば、それだけで療育を受ける意味があります。

お母さん・お父さんが「ちょっと気になる」と感じたその直感は、たいてい正しいものです。


専門家として長年子どもたちと関わってきた私たちは、そう確信しています。

「まず話だけでも聞いてほしい」

そんな気持ちから療育が始まることだって、よくある話です。

一緒に、お子さんの「できた」を積み重ねていきましょう。


今、モヤモヤしている方、どうすればいいか悩んでいる最中の方こそ、ゆずに来ていただきたいです。

私やゆずのスタッフに、ぜひ会いにきてください。

そして他の事業所さんもご見学に行ってください。

それでも「ゆずがいいな」と思ったら、私たちを頼ってください。

ずっと寄りそいながら、お子さんだけでなく、保護者の方の安心にもつながる療育をご提供します。

代表理学療法士×言語聴覚士が初回見学で直接対応

本山ルームでは、初回見学の際に、代表理学療法士・言語聴覚士が評価と相談に入り、お子さんの『ことば・運動・生活面』を担当者と一緒に整理します。

言葉や体の発達に不安がある、園での困りごとなど、どんなことでもお答えします。ご遠慮なくご相談ください。

見学・ご相談のお申し込みはこちら