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【スタッフブログ】手で感じて、色で遊ぶ。夏のちょうちん制作【苦楽園ルーム】

苦楽園ルームでは、季節を感じられる療育のひとつとして「夏祭りごっこ(ゆず祭りです^_^)」を行っています。
当日は、入り口でチケットを受け取って、6つの遊びコーナーを順番に回ります♪
それぞれの遊びには、お子さん一人ひとりに合わせた目的やねらいがしっかり込められています。

今回は、お祭りに向けてお部屋を飾る「ちょうちん」をお子さんたちと一緒に作りました。

使ったのは、水の入ったスプレー容器、だ円形に切ったペーパータオル、絵の具、絵筆など。
手順はこんな感じです👇

  1. ペーパータオルをスプレーで濡らす
  2. 好きな色を選んで、にじんだ紙にお絵かき
  3. 乾かす
  4. 乾いた紙を屏風折りに
  5. 画用紙に名前を書く
  6. 上下に画用紙を貼る(両面テープで)
  7. 紐をつけて完成!

※後半の工程は、スタッフが一緒にお手伝いしました。

机の上に紙や絵の具などを準備していたところ、来室してすぐに「これ、なに?」と興味を持ってくれたお子さんがいて、さっそく取り組みスタート!

別のお子さんは、スタッフの「お絵かきしてみる?」の声かけをスルーしておもちゃ棚に一直線。でも、目の前でスプレーをひと吹きすると……目がキラキラ✨

「絵の具も使えるよ」と伝えると、スッと机の前へ来て、さっと座ってくれました。スルーからの見事なターンに、保護者の方と一緒に笑ってしまいましたが、自分から動いてくれたことがとっても嬉しかったです。


どのお子さんも、水スプレーと絵の具の組み合わせにワクワクしながら取り組んでいました。

乾燥に時間がかかるため、仕上げはスタッフが手伝ったケースもありましたが、どれも素敵な作品に仕上がりました。

完成したちょうちんを見て、お子さんたちはもちろん、保護者の方々も「飾ってもらえるのがうれしい」とニコニコ。こちらもほっこりする瞬間でした。


制作の過程で、遊びがどんどん広がっていく様子もたくさん見られました。

霧吹きで自分の手に水をかけて感触を楽しんでみたり、手のひらで水を受け止める遊びを編み出すお子さんも。

お気に入りのミニカーを持ってきて「洗車かな?」と思わせるような動きを見せてくれたお子さんもいました。スプレーして、ティッシュで優しく拭いて……すっかり整備士さんのような手つきで車をピカピカにしていました。

また、「あか〜」と声に出しながら赤色を塗ったお子さんは、次に「きいろ〜」と重ね塗り。白い紙に描くのではなく、赤の上に黄色を重ねて、色の変化に注目している様子でした。

その後も色をどんどん混ぜていって、最終的に茶色に。「チョコレートできた!先生にあげるね」と満面の笑みで渡してくれました。もちろん、おいしく(?)いただきましたよ😊


さらに別のお子さんは、1枚目は絵筆で描き、2枚目は指先(と爪も!)を使って描くというスタイルに変化。描き方にも工夫が見られました。


今回の活動には、たくさんのねらいがあります。

  • 日常で使うスプレーや紙に触れることで「身近な道具っておもしろい!」と感じてもらうこと。
  • 霧状の水の感触、水が紙にしみこんでいく様子、色が混ざって変化する面白さを知ってもらうこと。
  • 筆の細い先をコントロールする手指の力、机に向かって取り組む姿勢の保持

こうした発達面のサポートも意識しています。


何より、「できた!」「描けた!」という達成感や、自分の作品がみんなの前で飾られる誇らしさを感じてもらえたら嬉しいなと思っています。

そして、日本の伝統行事や工芸品への興味にも、ほんの少しでもつながってくれたら…そんな願いも込めています。


制作遊びには意味や目的がたくさんある一方で、苦手意識を持っているお子さんもいます。

たとえば、、、
「見本通りに描いてって言われたらどうしよう…」
「手につくのが気になるけど、“気にしないの!”って言われちゃう…」
「自分で描くのが楽しいのに、“ちゃんと筆を持って”って怒られたら嫌だな…」

でも、「手で感じる」って本当に大事なこと。

ゆずでは、描けたことを一緒に喜びたいし、「汚れない方法」も一緒に探します。
そして何より、「自分の手で何かを生み出すって、楽しい!」って感じてほしい。

そんな経験が、将来の仕事(もしかしてアーティスト?職人さん?)、あるいは趣味としての創作活動につながったら。
誰かとの関わりや、休日の楽しみに広がったら。

そう思いながら、私たちは今日も「遊び」の中に「育ちのチャンス」をちりばめています。