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【療育支援者向け記事】あなたの支援に1万円というお金が動いている?!あなたは1万円の価値を提供できているか?|支援者が知るべきお金の話とゆずが大切にしていること

保護者の方にも知っておいてほしい!

今回の記事は、療育支援者の皆さん向けの記事ではありますが、ゆずをご利用の保護者の方や他事業さんで療育を受けられている保護者の方にもぜひ知っていただきたい(読んでいただきたい)記事です。

こんにちは。ゆず代表のゆずのおっちゃんこと、にしむらたけしです。

療育支援者という仕事は、子どもと保護者の方の人生に寄り添い、その成長を支える大切な仕事です。

子どもたちの発達を支援することは、本人の自立や成長を促すだけでなく、ご家族の生活の質の向上にも貢献する、社会的にも重要な役割を担っています。

今回は普段あまり意識することの少ない「お金」という視点から、療育支援の価値について考えてみたいと思います。

なぜなら、私たち支援者が提供するサービスの価値を正しく理解することは、より質の高い支援を目指すための重要な視点だからです。

療育支援の”価値”を数字で見てみると

支援者の皆さんは、1回の療育支援でどれくらいのお金が動いているかご存知でしょうか。

実は、児童発達支援事業では、1回のご利用につき、約1万円(場合によってはそれ以上)のお金が動いています。

この金額は、利用者の方の自己負担分(1割)と、国や自治体が負担する公費(9割)を合わせた総額です(無償化対象児の場合は、全額公費から支払われます)。

公費負担制度により、支援者が直接お金の受け渡しに関わることは少ないため、この金額を意識する機会はあまりありません。

なぜ支援者は”価値”を意識する必要があるのか

1回あたり約1万円という具体的な対価。これは決して小さな金額ではありません。

もし自費で1万円を支払うとしたら、保護者の方はためらわずにその支援を選びたいと思えるだろうか

この視点で自分たちの支援を見つめ直すことは、支援者としてとても大切なことです。

また、保護者の方からの信頼を得るためには、支援の専門性はもちろんのこと、その価値に見合うサービスを提供し続けることが不可欠です。信頼関係があってこそ、子どもたちの発達支援も効果的に行うことができます。

発達支援ゆずが大切にしている支援の考え方

ゆず新入職スタッフ研修スライドより抜粋(資料の金額は2024年度以前のものです)

発達支援ゆずでは、新しくスタッフの方が入職されると、4つの机上研修を実施します。

その中で「療育支援者としての役割」についても学ぶ機会があるのですが、そのときには必ず「あなたの支援にはおよそ1万円のお金が動いています。あなたは果たしてその価値を提供できていますか?」という問いかけと、「あなたがGiveできるものはなんですか?」といったことを考えてもらっています。

ちなみに、上の画像の中に言語聴覚士むぎちょこのオンライン相談室の画像があるのは、自費療育と比べても公費事業での1回1万円は高い、という意味で説明するために入れています。

「日本で最も著名な療育センターに長年勤務した言語聴覚士でも、自費相談室では(オンライン相談とはいえ)60分間8,000円です(それでも他の言語聴覚士さんの自費相談に比べると高い方です)。公費療育事業所は、(例えば)適当に遊んでいても1万円をいただけてしまうのです。この差をどのように受け止めますか?」

スタッフの研修ではこのように説明をします。

ベテラン言語聴覚士の自費サービスよりも、今日始めて療育実践を行う公費サービススタッフの方がいただくお金は多いのです。

これだけ、公費療育事業というのは、高価格のサービスでもあるのです(反対に言うと自費サービスと違って質に比例しないのです)。

ここだけの「ブラックな話」

適当に時間を過ごしているだけでも1万円が入ってくるので、療育の質とか関係なく「とりあえず儲かるなら、療育事業所を運営しよう」と参入してくる事業者さんも多くあります。

そういった場合オーナーさんがお子さんの発達とか困りごとなど興味ない(投資先として考えているだけ)ので、療育内容は「適当に遊んでおいて」でOK。もちろん発達を促してもらうことはできません(人間としての質の低い人でも気にせず採用するので風紀は乱れ放題だし、スタッフ教育とかも興味ないですのでテコ入れとかもなし。で、子どもに怒鳴る・叩くなどの虐待が横行します)。

療育の質によって費用が変われば質の高い療育も増えるのでしょうけれど、国の仕組みでは「人と場所が揃ったら運営できる」ので、楽して1万円もらいたい、というのが人情。

だから事業所とお子さんのマッチングを間違えると、大切な幼児期に無駄な時間を費やすことになりますし、実際そういう事例をあちこちで聞きます(興味ある方は、こども発達LABO.の動画をご覧ください。視聴者さまからとんでもない療育の暴露コメントがたくさんあります笑)。

儲かりゃいい、という事業所さんかどうかを見分けるコツがあるのですが、ここではお口チャック(古っ!)

意外とパッと見では見抜けないんですよね。。。

療育実践は、決してボランティア活動ではありません。そのことの意味をしっかりと理解しない限り、療育支援者としてのスタートに立てません。

ゆずでは「親切で丁寧な対応は当たり前」のこととし、それ以上の価値を提供することを心がけています。

発達支援の専門家として、子どもたち一人ひとりの発達段階を適切に評価し、効果的な支援計画を立て、確実に発達を促すことができる支援を実践しています。

そのこと自体はすごいことでも何でもなくて、「療育事業所スタッフとして当たり前のこと」だと定義しており、スタッフ全員が高い専門性を持ち、常に新しい知識やスキルの習得に励んでいます。

そして何より、利用者目線に立ち、「この支援に1万円の価値があるか」を常に問いかけながら、日々の支援の質を高めています(そう思えない人はやがて自ら辞めていくことになります)。

なお、現在ゆずでは新規採用の方を募集しているところですが、この考え方に賛同いただける方はぜひエントリーしてください。

ゆずで働く魅力は、専門性を高める機会が豊富にあることです。定期的な研修や事例検討会を通じて、支援スキルを向上させることができます。また、チーム全体でサービスの質を高めていくため、スタッフ間での活発な意見交換も大切にしています。

もちろんゆずは療育支援者の「学び場」ではありませんので、「学べる反面、あなたがゆずやゆずのご利用者に何が提供できることは何ですか?」という問いへのお答えもしっかり持った上で、エントリーしていただければと思います。

おわりに

私たち支援者には、子どもたちの発達を支援するという大きな責任があります。

その責任を果たすためには、提供する支援の価値を正しく理解し、常により良いサービスを目指して努力を続けることが必要です。

発達支援ゆずでは、これからも支援の質にこだわり続け、同時に1万円のお金をいただいていることを常に忘れることなく、子どもたちと保護者の方々に真に価値のあるサービスを提供していきます。