本山ルーム服部さんの描いた“坂道あそび”|前庭覚と子どもの発達を考える

こんにちは、発達支援ゆず代表・言語聴覚士の西村千織です。

本山ルーム保育士の服部さんが、とても素敵な絵をゆずのインスタ投稿されました。

今回はこの絵をきっかけに、子どもの感覚と発達の関係について少しだけ専門的に掘り下げてみたいと思います。


まずは本山ルーム保育士服部さんの作品とコメントです。

投稿文

こんにちは
本山ルームの服部です!

ゆずで働き始めて、遊びの効果というものを、より考えるようになりました🤔
家の息子がしていた遊びや行動についても、よく振り返って考えることがあります。

大人からしたら何気ない遊び(遊んでる様にも見えない様な遊び)に見えても、今その時、必要としてる刺激を自分で取り入れてるのだなぁと、ゆずのお子さま達を見ていても感じる、今日この頃です🍁

もうすぐ年末、なぜか慌ただしく交通事故も増えてきますね。皆さま、お越しの際はくれぐれもお気をつけくださいね🍁

「前庭覚(ぜんていかく)」ってなに?

「前庭覚」とは、体の傾き・揺れ・回転などを感じ取る感覚のことです。

耳の奥にある「三半規管」が大きく関わっており、バランス感覚や姿勢制御、空間認知といった発達の土台を支える重要な感覚です。

たとえば、ブランコ、すべり台、トランポリン、ぐるぐる回る遊び…。

これらはすべて、前庭覚を刺激する動きです。

子どもたちは「好き」でやっているように見えますが、実は発達に必要な刺激を本能的に求めている場合もあります。

服部さんが描いた絵に込められたもの

服部さんが描いたのは、お子さんが1〜3歳頃、坂道を何度も登って降りていた頃の様子です。

当時は「ただ坂が好きなんだろう」と思っていたそうですが、今思えば、前庭覚への刺激を自然に取り入れていた行動だったと気づいたと話されています。

坂の上り下りは、頭部の位置変化や重力への反応が求められるため、前庭覚をダイレクトに刺激する遊びです。
子どもが繰り返しやすい動きでもあり、自分にとって“ちょうどいい感覚刺激”を無意識に選んでいることがよくあります。

服部さんの絵は、単なる思い出の記録にとどまらず、感覚刺激と発達の関連を示す行動記録としても非常に興味深い一枚です。
こうした視点を持つことで、日常の中にある「遊び」が、より意味のあるものとして見えてきますね。

それと、服部さん、絵が上手すぎます!

前庭覚が育つとどうなる?

前庭覚への適度な刺激によって、以下のような力が育ちやすくなります。

  • 姿勢が安定する
  • 転びにくくなる
  • じっと座っていられる
  • 空間認知力が育つ(机やイスとの距離感、ジャンプのタイミングなど)
  • 集中力の向上にもつながることがある

逆に、前庭覚が未発達だと…

  • 転びやすい、姿勢がふらつく
  • 高いところを極端に怖がる/全く怖がらない
  • じっと座っていられない
  • 激しい動きを繰り返してしまう(感覚刺激を自分で補っている)

このような傾向が見られる場合、日常の遊びや療育の中で、適切な前庭刺激を「少しずつ」「安心できる環境で」取り入れることが大切です。

発達支援ゆずでは・・・

私たち「発達支援ゆず」では、お子さんの様子に合わせた個別支援の中で、

  • 坂道、トランポリン、トンネルなど
  • 前庭覚や固有受容覚を意識した感覚統合的な活動
  • 「楽しい!」「やりたい!」と思える工夫

を取り入れながら、自然なかたちで感覚を育てる支援を行っています。

さいごに

「ただ遊んでいるだけ」に見える行動にも、子どもの発達に必要な理由があることがあります。
服部さんの絵は、そんな気付きを与えてくれるものでした。

「うちの子、あんな動き好きだったな」
「もしかして、意味があったのかも?」

そんなふうに感じていただけたら、嬉しいです。

📷 服部さんの絵はInstagramでもご覧いただけます(フォローもぜひ!)