ゆずで変わった子どもたち|自動販売機作りから広がったYくんの物語

こんにちは。ゆずグループ代表、理学療法士の西村猛(通称:ゆずのおっちゃん)です。

今回ご紹介するのは、発達支援ゆずで見られたYくんの小さな成長の物語です。


きっかけは、本山駅前ルームの言語聴覚療法室に残っていた一つの作品。

別のお子さんが作った段ボールの自動販売機でした。


それを見たYくんは「僕も作りたい」と言い、遊びを引き継ぎます。

そこから遊びは少しずつ広がり、弟くんとの関わりが生まれ、そしてYくん自身の自信や社会性の成長へとつながっていきました。

まずは、担当スタッフの高橋言語聴覚士が解説してくれている動画をご覧ください。

きっかけは、別のお子さんが作った自動販売機

今回の自動販売機づくりは、最初からYくんが作ったものではありません。

個別言語聴覚療法の時間に、別のお子さんが段ボールを使って自動販売機を作っていました。


そこには次のような飲み物が書かれていました。

「コーラ・ソーダ・コーヒー・麦茶・りんご・お水」

ボタンを押すと中から飲み物が出てくるような楽しい仕組みになっていました。


その日はそのお子さんの療育が終わり、自動販売機は部屋に残されたままになっていました。

この作品が、後にYくんの遊びのきっかけになります。

Yくんが遊びを引き継いだ日

別の日に言語聴覚療法室に来たYくんは、そこに置かれていた自動販売機を見つけました。

段ボールで作られたその自動販売機には飲み物の名前が並び、ボタンを押すと中から飲み物が出てくる仕組みが作られていました。

それを見たYくんはこう言いました。

「僕も作りたい。」

そしてYくんはその自動販売機づくりを始めました。


最初に作ったお子さんの作品をきっかけに、Yくんがその遊びを引き継ぎ、自分なりのアイデアでさらに発展させていきました。

遊びはひとりの子どもで完結するものではありません。こうして別の子どもへとつながりながら、新しい形へと広がっていくこともあります。

この自動販売機も、そうした子どもたちのアイデアのつながりの中で広がっていきました。

Yくんの工夫で自動販売機が進化する

Yくんは、教室に残っていた自動販売機を見ながら、自分なりに工夫を加えていきました。

例えばボタンの部分です。

赤と青の色を交互に並べながら、「この色がいい」と自分で考えて配置していきました。

また表示や仕組みも少しずつ増えていき、自動販売機はだんだんとYくん仕様の自動販売機になっていきました。


こうして遊びは、最初に作ったお子さんのアイデアから始まり、Yくんの工夫によってさらに広がっていきました。

そしてこのあと、この自動販売機をめぐってもう一つ大切な出来事が起こります。それは弟くんとの関わりでした。

弟くんとの関わりから見えた社会性

Yくんがその自動販売機で遊んでいるとき、弟くんがやって来て、「僕もやりたい」と言いました。

こうした場面では、取り合いになってしまうことも少なくありません。


しかしそのときYくんは少し考えて、こう言いました。

「それやったら、弟くんの分も作ったらどう?」

その提案によって、弟くんも自分の自動販売機を作り始めました。


お兄ちゃんの作ったものを見ながら、弟くんも一生懸命に自分の自動販売機を作ります。

こうして二人は、それぞれの自動販売機を作りながら仲良く遊びを広げていきました。


この場面から、Yくんの「相手のことを考える力」や「関係を広げていく社会性」が表れていました。

以前のYくんを知っている私たちにとって、このやり取りはとても印象的な出来事でした。

以前のYくん

実は以前のYくんは、自分にあまり自信が持てず「どうしたらいいのか分からない」と困ってしまうこともありました。

うまくいかないときには、どうしたらいいか分からなくなり、気持ちが大きく揺れてしまい、不安が高くなることもありました。


しかし最近、幼稚園での様子に少しずつ変化が見られるようになってきたようです。

できることが増え、先生から褒められたり認められたりする経験が増えてきたのです。


お母さんも幼稚園の懇談で「最近ぐっと伸びてきました、と言われました」と嬉しそうに話してくださいました。

そうした経験が、Yくんの中に少しずつ自信を育てていったのだと思います。

褒められる経験が生む「心の余裕」

子どもは、褒められたり認められたりする経験を重ねることで、少しずつ自信を持てるようになります。

そして自信が育ってくると、子どもの中に心の余裕が生まれてきます。


心に余裕が生まれると、自分のことだけでなく周りを見ることができるようになり、相手のことを考えたり人と協力したりする力が自然に育っていきます。


今回Yくんが弟くんに「弟くんの分も作ったらどう?」と提案した姿には、そうした変化が表れていました。

自分の遊びを守るだけではなく、相手のことを考えて関係を広げていく力が育ってきていると感じた瞬間でした。

遊びの中で育つ子どもの力

今回の自動販売機づくりの中には、子どもの成長につながるさまざまな要素が含まれています。

例えば次のような力です。

  • 自分で考えて工夫する力
  • できたという成功体験
  • 人と関わりながら遊びを広げる経験

Yくんは自動販売機づくりの中で、ボタンの色を工夫したり表示を増やしたり、弟くんにも遊びを広げたりといった形で自分なりに遊びを発展させていきました。


こうした経験は単なる遊びのように見えても、子どもにとってはとても大切な学びの時間です。

自分で考えて遊びを作ること、そして人と関わりながら遊びを広げていくこと。その一つ一つが、子どもの自信や社会性の成長につながっていきます。

子どもの成長は、小さな成功体験から広がる

Yくんは自動販売機づくりを通して、

  • 自分で考える力
  • 成功体験による自信
  • 弟くんとの関わりの中での社会性

といった成長が見られました。


もともと自信を持つことが難しかったYくんが、園で認められる経験を重ねる中で自信を育て、その自信がさらに新しい行動や関わりにつながっていったのです。


子どもは認められる経験や成功体験を積み重ねることで、少しずつ変わっていきます。

そしてその変化は、遊びや人との関わりの中で自然に広がっていくことがあります。

今回の自動販売機づくりも、そんな子どもの成長の一場面でした。


また、Yくんがグーンと伸びた裏には、決して無理強いをさせることなく、フラットにそして我が子を信じて、丁寧に関わってこられらお母様のコツコツとした積み重ねがあったことは、言うまでもありません。


これからも、Yくんの中に育ちつつある「ぼくもできるんだ」「もっと色々してみたい」という前向きな行動につながる「力強さ」と、周囲を冷静に見て自分の立ち位置を知る「社会性」や「客観性」を、さらに伸ばしていくお手伝いができればと思っています。

発達や療育についてのお悩みがある保護者の方へ

発達支援ゆずでは、未就学のお子さまを対象に親子同室・マンツーマンでの療育を行っています。

子どもの成長は一人ひとり異なります。

  • 言葉の発達が気になる
  • 集団生活が少し苦手
  • 自信を持てる経験を増やしてあげたい

そんな保護者の方のご相談を、これまで多くお受けしてきました。


今回のYくんのように、子どもは認められる経験や成功体験を積み重ねることで少しずつ自信を育て、成長していきます。

発達や療育について気になることがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。


ゆずは「伴走」を大切にしています。

保護者の方と一緒に悩みながら、時に遠回りをしながら、それでも少しずつ前に進んでいきましょう。

私たちは、いつだって、お子さんと保護者の方の味方でいます。

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