
「うちの子、体が不器用なんです。」
発達支援ゆずでは、このようなご相談をいただくことがあります。
先日も、ある保護者の方からお子さんの体の動きについてご相談をいただきました。
実は今回のお子さんは、担当の作業療法士(OT)が評価を進めていたのですが、その中で私に相談がありました。
「自分なりに評価を進めているのですが、もう少し違う視点からも見立ててもらえませんか。」
そんな依頼を受け、私も理学療法士(PT)として一緒に評価に入ることになりました。
発達支援ゆずでは、このようにスタッフから相談いただき、一緒に検討するというのは、日常的にあることです。
担当者だけで判断するのではなく、「より良い療育につなげるためにはどう考えればよいか」を、専門職同士で相談しながら見立てを深めています。
そして今回も、お母さんに普段の様子を詳しく教えていただきながら評価を進めていきました。
その時間を通して、改めて実感したことがあります。
それは、困りごとには、見えない理由がある、ということです。
「体が不器用」という見え方の裏側
最初のご相談は、「体が不器用」というものでした。
確かに、一見すると運動の問題のようにも見えます。
しかし、評価を進めていくと、このお子さんには、体そのものだけでは説明できない点がいくつか見えてきました。
「何が苦手なのか」ではなく、「なぜ、その困りごとが起きているのか」を考える必要があったのです。
つまり運動課題の奥に、運動課題ではない課題が隠れていた、ということです。
こういったことは、不器用と言われるお子さんには比較的多く見られます。
療育支援者でも間違えてしまいやすいことなので、保護者の方で気づく方は、まずおられません。
お母さんの一言が、評価を深めてくれました
今回、とても印象に残ったのがお母さんのこんなお話です。
今回のケースでは、「体が不器用」という主訴から評価を開始しました。
しかし、お母さんの「走り方を伝えると、その時は意識して走れるんです」という一言が、大きな転機になりました。
この情報によって、運動面だけではなく、別の視点からも考える必要があるという仮説が生まれました。
その結果、お母さんへお伝えする内容も変わりました。
具体的には「脳が他のことに集中しているかどうかで、体のコントロールや不器用さに大きく関係する」という仮説です。
この仮説を検証するために、家庭で見ていただきたいポイントや取り組んでいただきたい内容をお伝えし、ご家庭でもチェックをしていただくことになりました。
運動能力の問題ではなく、「脳の使い方」がポイントになっていると考えられたのです。
もし、この仮説が正しいとなると、運動課題をするよりも、先にするべきことが出てきます。
まさにこれが、保護者の何気ない一言が、評価だけでなく、その後の支援の方向性まで変えた事例でした。
だから発達支援ゆずは「親子同室」を大切にしています
発達支援ゆずでは、親子同室で療育を行っています。
その理由は、保護者の方に療育を見ていただくためだけではありません。
保護者の方と一緒に、お子さんを理解するためです。
今回も、お母さんの何気ない一言が、見立てを深める大切なヒントになりました。
療育中に見える姿だけでは分からないことがあります。
ご家庭での様子や園での様子など。
「そういえば、こんなことがありました」という何気ない出来事。
そうした情報を、その場で保護者の方と共有できることが、より良い見立てにつながります。
そして今回の見立ても、担当の作業療法士が「もう少し違う視点でも見てもらえませんか」と相談してくれたこと。
お母さんが普段の様子を丁寧に教えてくださったこと。
その両方があったからこそ、より深くお子さんを理解することができました。
一人で考えるのではなく、専門職同士が相談し、保護者の方とも一緒に考える。
それが、発達支援ゆずが大切にしている支援の形です。
困りごとには、見えない理由があります
「不器用だから運動が苦手。」
「落ち着きがないから集中できない。」
私たちは、つい見えている困りごとだけで判断してしまいがちです。
でも、その背景には、一人ひとり違う理由があります。
だから私たちは、目の前の困りごとだけを見るのではなく、その背景にある理由を丁寧に見立てることを大切にしています。
困りごとは、お子さんからのサインです。
そのサインの意味を保護者の方と一緒に考え、理解していくこと。
それが、お子さんに合った支援につながると、私たちは信じています。
実は、私もそうだった・・・
その日の帰り道、言語聴覚士のむぎちょこ(西村千織)と今日のお子さんの出来事について話をしていました。
するとむぎちょこが笑いながら一言。
「それって、あなたも同じやね」
「えっ?何が、一緒なん?」
「仕事のことで頭がいっぱいの時は、ご飯を食べている間、ポロポロこぼしているよ」
ひえー。
普段の私は、そんなに食べこぼすことはありません。
でも、ゆずのこと、動画のこと、保護者支援のこと、新しい事業計画のこと・・・。
頭の中が仕事でいっぱいになっている時は、食べることへの意識が薄くなり、気付けばポロポロとご飯をこぼしているそうです。そもそも不器用やからね。
自分では全く気付いていませんでした。
でも、その一言を聞いたとき、「見えている困りごとの裏側には、別の理由がある」ということを、私自身も改めて実感しました。
で、むぎちょこに向かって言いました。
「おたく、よう見てるなー」笑
最後に
「どうして、うちの子はこうなるんだろう。」
そんな疑問を感じたときは、困りごとだけで判断せず、その背景にある理由にも目を向けてみてください。
発達支援ゆずでは、お子さん一人ひとりの困りごとの背景を丁寧に見立て、ご家族と一緒に理解し、支援を考えていきます。
困りごとには、見えない理由があります。
今回のお子さん、担当の作業療法士、そしてお母さんとの時間を通して、その言葉を私自身も改めて実感した一日でした。
親子で学べる療育教室 発達支援ゆず
