
発達支援ゆずグループ代表・理学療法士の西村猛(ゆずのおっちゃん)です。
以前、ゆずのブログで、言語聴覚士の西村千織が「こんなお子さんにこそ来てほしい」という記事を書きました。
読んでいただいた方、ありがとうございます。
それを読んでいて、「ふむふむ。なるほどな。確かになあ」と思いました。
一方で、「来てほしい」もあるけど、「こんな方には来てほしくない」もあるなあ、と思いました。
普通、療育事業所の運営者が「うちの事業所に来てほしくない人」なんて、書かないよなあと思いつつ、「いやいや、そんな綺麗事言っても仕方がないやん。子育ては、綺麗ごとだけではできないもん」と言う気持ちがあるので、今回ゆずのおっちゃんしか書けないような話題、ゆずに「合わないかもしれない方」について、本音で書きます。
ここまで読んで違和感を覚えた方は、無理に読み進めていただかなくても大丈夫です。
何を言い出すか分からないけど、せっかくだから読んでみてやるか、という心の優しい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
まず、ゆずの考え方について
ゆずでは、保護者・お子さん・スタッフは対等な関係だと考えています。
ゆずのフィロソフィーでも謳っていますが、「私たちが教えてあげます」というような上からの関わりはしません。
一方で、「何でも言ってください、どんなことでも対応できるように努力します」というような迎合もしません。
なぜ、そんなことを言うかというと、事業所と保護者の方がフラットであって初めて、お子さんの困りごとの背景や本来の姿が見えてくるからです。
でも「何でもします」と言っている事業所さんだって、本位ではないはず。
何でもかんでも言うことを聞きたいわけじゃない。
でも、そうしないと「あっそ。じゃ別の事業所を利用するから、別にいいよ」と言われると困るので、合わせてくれているだけです。
どの事業所さんも、自分の事業所を守るために必死なんです。それは分かってあげてほしい。
で、私はどう考えているかと言うと、「保護者の方に迎合だけしていて、子どもが成長するのか?」です。
特性のある子どもも、もっと社会の中で認められ、羽ばたいていほしいから療育事業をやっているのです。
それができないのであれば、ゆずは閉所するしかないです。
だって、大切な税金をいただいて事業所を行っているのですから。
国民の皆さんが支払った税金が、公費療育事業所の利用料として支払われているのです。
それくらいの覚悟でやらないと、納税者に申し訳ないです。
一方で、偉そうに言うのもおかしい。
療育支援者って、あくまで一つの役割にすぎません。
お子さんとご家族の方向性は、親御さんが主体となって決定していくものですよね。
じゃあ、その決定するための情報提供やサポートは重要ですが、偉そうに言ってどうするの?
そんな姿勢には疑問を感じずにはいられません。
これがゆずのスタンスです。
ゆずの方針とは合わない可能性がある方
ではここからは、「ゆずの方針に合わない可能性がある方」をご紹介します。
じゃ、行きますね。
① 子どもは力で動かすものだと思っている方
叱れば言うことを聞く、叩くのはしつけの範囲、厳しくしてほしい、甘くすると舐められる。
こういった考えの方は、ゆずの方針とは合いません。
時々支援者の中にも「子どもは舐めるので、厳しくしないとつけあがる」ということをまことしやかに語る方がいますが、論外です。
ゆずでは、恐怖や緊張で子どもを動かすことはしません。
「怖いからやる」ではなく、「やりたいから動く」を大切にしています。
将来に禍根を残すので、やりません。
もし保護者の方の中で、この考えが大きく異なる場合、一緒に進むことは難しいです。
厳しくしつける療育もあるにはあると思いますので、そのような方針を重視される場合は、別の支援方針の事業所の方が合うかもしれません。
② 繰り返せばできる、言えばわかると思っている方
反復すればできるようになる、言い聞かせれば理解できる。
こういった方針の方ともミスマッチになると思います。
その子が「できない」のには理由があります。
意志が弱いわけでも、努力不足でも、親の関わりが悪いわけでもありません。
多くの場合、その子の脳や身体の特性によるものです。
「なんでできないの?」ではなく、「なぜできないのかな?」と考えることができれば、原因理解→手立て構築→実践→成果につながり、確実に成長を促せます。
でも繰り返しさせたり、言って聞かせるといった手法では、本質的な改善にはつながりにくいことを、私たちは経験上理解しています。
だからこういった方法を希望される場合、一緒に支援していくことは難しいです。
③ 「甘やかし」が問題だと思っている方
甘やかすと将来困る、もっと厳しくすべき。
この考え方をされる場合も、やはりゆずとの相性が良くないです。
「甘やかし」と「特性に合わせた関わり」はまったく別です。
特性に合わせることは、逃げではありません。その子が力を発揮できる土台をつくることです。
環境を整えてあげるだけで、問題行動と言われる困りごとが減ることはよくあります。
まずするべきはそこです。
ですが、それをせずに、厳しく躾けていけばどうにかなる、と思っているなら、それは間違いです。
どこかでつまずきが出て上手くいかなくなります。
だから、子どもの決定を尊重する行為を「甘やかし」と捉える考え方とは、やはり方向性が異なります。
一緒に歩めません。
なぜ、ここまで言い切るのか
ここまで読んでいただいて、「どうしてこの人は、ここまで言い切るの?」と不思議に思われるかもしれないですね。
その理由はひとつです。
私はゆずに通ってくれる子どもたちには、特性や生きにくさがあっても、自分に誇りを持って生きていってほしいと思っているからです。
そして、その姿を見て、保護者の方にも安心し、我が子を誇りに思ってほしいからです。
その未来は、安心と喜びと自己決定によって獲得できます。
恐怖や力で子どもを動かす支援に意味はありません。効果も限定的です。
さらに、小さな時期に抑圧された負のエネルギーは、大きくなった時爆発することがあります。
そうなった時は、修正にものすごく時間がかかることになりかねません。
厳しく躾ける方針の療育もありますが、医学的にデメリットが多いことが多くの研究でも認められています。
このような理由から私は、厳しいしつけや体罰を「この子のため」と言い切ったり、できないことを並べ立てたり、「このままだと困る」と脅すような「ブラック療育」と、それを正しいとする支援者は間違っていると思っています。
本当に、違和感しかない。
子どもの尊厳を削る関わりをして、それで子どもが伸びるはずは、絶対にありません。
「お子さんとご家族の人生の方向性を変えるかもしれない」のが療育です。
だから支援者であるなら、その覚悟と意識を持って臨むべきです。
実は弱い子どもを相手に強く出て、子どもをコントロールしたがる支援者は、「相対的に自分が強くなった」と思いたい、「実は自分に自信がない方」であったりするのです。
自分を鼓舞するために、子どもを使うな。
自分の在り方を自分で探したり、上手く感情コントロールができることも、専門性の一部だと思います。
今、通ってくださっている保護者の方へ
ゆずに通ってくださっている保護者の方は、この考え方の大切さに気づいている方ばかりです。
これまでの子育てが間違っていた、という話ではありません。
むしろ、悩みながら、試しながら、ここまで来られた方たちです。
「これでいいのか」と考え、いろんなやり方を試し、いろんな可能性を見ようとする。
その視野の広さと柔軟さは、本当に素晴らしいものだと思っています。
うまくいかなければ修正する。そして、その先にはまた新しい世界が広がっていく。
その繰り返しこそが、療育であり、子育てです。
その姿勢こそ、ゆずが最も大切にしたいものです。
そして私は、今、ゆずに通ってくださっている保護者の方たちの、その我が子への向き合い方を、心から尊敬しています。
先日も、ゆずカフェを開催し、ご参加くださったお母様とじっくりお話をさせていただきましたが、皆さん本当に真剣に我が子に向き合っておられます。
尊敬しかありません(ゆずカフェのことは、現在記事作成中です)。
ゆずを信じて通ってくださる皆さん。いつも本当にありがとうございます。
期待に答えられるよう、私たちはさらに高みを目指します。見ていてください。
見学を考えている方へ
この記事を読んで、「違うな」と感じた方には、正直に言って、ゆずは合わないかもしれません。
一方で、「少し心に引っかかった」「このままでいいのかなと思った」という方へ。
その感覚は、大切なことへの気づきの第一歩かもしれません。
こんなゆずの療育にご興味があれば、いつでもお待ちしています。
よかったら、一度お話ししに来てください。
あなたとお会いできる日を、楽しみにしています。
そして、最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
親子で学べる療育教室 発達支援ゆず


