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【療育のイロハ】「その療育、その選び方で本当に大丈夫?」療育が失敗する保護者の3つの共通点【ブラックたけしくん登場回】

こんにちは。ゆずのおっちゃんです。

療育は、お子さんの成長を支える大切な取り組みです。しかし、いつもお話しているように「どのように取り組むか」によって、その効果は大きく異なります。

同じように療育を始めても、上手くいく保護者とそうでない保護者がいるのはなぜでしょうか?

この記事では、療育が上手くいかない保護者の共通点と、上手くいく保護者の特徴を具体的にお伝えします。適切な療育選びや関わり方を知ることで、お子さんの未来をより明るいものにするためのヒントを得ていただければと思います。

療育が上手くいかない保護者の共通点

1.「療育なんてどこでも同じ」と思っている

「どの療育事業所でもやることは同じだから」と考え、事業所を近さだけで選ぶ方がいます。しかし、療育事業所はそれぞれ理念やプログラムが異なります。お子さんの特性に合った場所を選ぶことが何より重要です。

私と言語聴覚士むぎちょこは、療育を受けている保護者の方からご相談を受け、お困りごとや療育の選び方などのご質問にお答えする「自費オンライン相談」を行っています。その中で、ある保護者の方からこんなご相談がありました。

集団療育に通っているが、我が子にあっていないように思う。療育事業所を変えた方がいいのでしょうか

詳しくお話を伺うと、どうもその療育事業所さんでは、お子さんの評価もしてもらっていないし、お母様に対してもあまり説明がない、という状況でした。

「うーん。なぜお母様はこの事業所さんを選ばれたのだろう・・・」と思い、お尋ねしてみました。

ゆずのおっちゃん
ゆずのおっちゃん

お母さんが、こちらの事業所さんを選んだのは、どのような理由からですか?

Aさん
Aさん

え?それは、役所からもらった事業所一覧を見て、家から一番近かったからです

ゆずのおっちゃん
ゆずのおっちゃん

近かったからですか?

Aさん
Aさん

はい。療育事業所は専門機関なので、どこで受けても同じかなと思って。近いところが便利なので、そこにしました

ゆずのおっちゃん
ゆずのおっちゃん

いえいえ、どこで受けても同じではないです。受けないほうがマシ、というのもありますよ

Aさん
Aさん

えー!そうなんですか!?じゃあ、うちの子に合った事業所選びをしないといけないですね?!

そんなこんなで、このお母様は色々と見学に行き、検討した結果、個別療育を提供する事業所さんに切り替えられました。

そこでは、お子さんを評価してもらい、お子さんに合ったプログラムを実施してもらうことができ、やがてお子さんは集団の中でも落ち着いて課題に取り組めるようになりました。めでたしめでたし。

このように、事業所選びは単なる「便利さ」ではなく、お子さんにとって最適な環境かどうかを見極めることが大切です。

2.「○○ができるようにさせます!」に惑わされる

「お子さんが話せるようになります」「トイレトレーニングが完璧にできるようにします」というキャッチコピーに惹かれて事業所を選ぶ方もいます。しかし、こうした言葉に頼りすぎると、療育が本来持つ目的を見失う危険性があります。

なぜこのような「◯◯ができるようにさせます!」と言うかというと、「〇〇できるようにしてほしい」と結果をすぐに求める保護者の方が一定数いるからです。

そんな方には「うちに通えば、◯◯ができるようになります!」と謳っておけば、利用してくれるから楽です。


特にニーズがあるのが、「就学までにじっと椅子に座れるようにします!」です。

私からすると「評価もしていない段階で『座れるようにします』なんて、よく断言できるなあ」と思います。


反対に言うと、「私なら、座るようにします!なんて、絶対に断言なんてできない」です。


なぜなら、座る練習を繰り返したからできるようなものではないからです。

少なくとも評価をしてからでないと「座れるようになります」なんて絶対に言えません。


目標達成ができなかった場合に、上手く言い逃れをする言葉があるのです。


聞きたい???笑

そう?笑

じゃ、教えますね。


それは「この子が座れないのは、座る気がまだないからです」です。

出た!子どもに責任をなすりつける戦法!


でも、そういうときは保護者の方が助け舟を出してくれるのです。

「先生、この子がやる気がなくてスミマセン

はい。味をしめました!

今後も自信を持って「私たちは就学までに椅子にじっと座れるようにします!」と言い続ける療育の出来上がりです笑

あと別の方法として「子どもを恐怖支配でコントロールして座らせる」という手法(ブラック療育)もあります。

「ほらっ、お母さん。座れるようになりましたよ!」(得意気)

「うわっ本当だ!さすが療育の先生です!これで安心して就学を迎えられます!」

で、就学後「あれ?療育で座れていたのに、学校では座れない。どうして?」ということになったりします。

そりゃあそうです。恐怖支配していたんだから笑


もうお分かりですよね?

こういったやり方はお子さん自身の内発的な成長にはつながりません

つまり、見た目で座るようになっているので、パッと見て成長したように見えるかもしれませんが、お子さん自身の本当の発達(成功)にはなっていない、ということです。

療育の目的は、子ども一人ひとりの特性を理解し、適切なサポートを行うことです。華やかな言葉よりも、実際にどのように取り組んでいるかをしっかり確認しましょう。

でなければ療育は徒労に終わります

二度と巻き戻すことができない、人生の基礎を作る幼児期に内発的な成長を引き出していないと、就学後に修正することはなかなか難しいです(私だったらできないです)。

3.職種や肩書きにこだわりすぎる

「セラピストが担当してくれれば安心」「保育士だと遊んでいるだけで成果が出ない」と考える方も少なくありません。しかし、それは大きな誤りです。

職種や肩書きよりも、担当者が持つ考え方や能力のほうが重要です。

セラピストがさも効果的であるように喧伝されるのは、「セラピストに見てもらえると子どもは伸びる」と盲信している保護者の方に向けて、一部の事業所が「うちにはセラピストがいますよ!(だからうちに通ってください)」とセラピストがいることを大々的にアピールし、利用につなげる「客寄せパンダ」にしているからです。

言葉は悪いですが、「セラピストを表に出しておけば、それで利用してくれる保護者が多くいるので、チョロいもんだ」といったところです。カモっているわけですな。


その意味では、セラピストがいることをさもすごいことのようにアピールしている事業所さんは、大して療育のことは知らない素人が運営していると思ってよいでしょう。まあ全く療育のことを知らなくても、事業所は開所できますので、何でもありです。

ちなみに、私は療育事業所さんをサポートする「療育事業所様向けコンサルティング」を行っており、これまで多くの事業所オーナー様やスタッフ様のコンサルティングやアドバイスを実施させていただいてきましたが、より質の高い療育を提供されている事業所様(オーナー様)は、セラピストを全面に押し出したりしません「誰が」ではなく「何をするか」を大切にしているからです。だからビジョン、ミッション、バリューが明確です。

あと、セラピストがいるからといって、そのセラピストが優秀かどうかも分かりません(自分の技術の向上にしか興味がないセラピストに担当してもらった日には、目も当てられません。お子さんは実験台にさせられますからね)。

いや、こういうことを書くと、よくセラピストの方が拗ねて「セラピストみんながダメな訳では無い!そんな人もいるが、優秀な人もいっぱいいる」とか、「あんたもセラピストのくせに、よくそんなセラピストを貶めることを言えるな」いうコメントをいただくことがありますが(特にX=旧Twitter)、文章をよく読んでごらん。

セラピストはみんなダメ、なんて言っていないです。

「セラピストだからといって、みんな優秀とは限らない(人による)」と言っています。

【ここだけのブラックな話】セラピストもピンキリです!

セラピストというと医学的知識も豊富で技術も長けていると思いがちですが、なんのなんの。

「なんじゃこれは?!これでよく国家試験通ったな?」というセラピストもいるので、千差万別です。

普通にコミュニケーションが取れないセラピストも結構います。分かります?研究室が似合うタイプ笑

「特性のあるお子さんの発達に興味があって・・・」と応募してこられる方もおられます。

「なるほど。発達に興味があるんですね・・・。ん?」

ちょっと待て!

そもそもなんやねん「興味がある」って。興味で仕事をするな。特性のあるお子さんを興味の対象にするな!お子さんはあんたの研究対象か!(←このことは別の記事で深掘りしますね)。ゆずでは、そんな人いらん!

何が言いたいかというと、「セラピストだから優秀とかは関係ないので、セラピスト一括りで見るのではなく、この人に出会えて良かったという人から、話すこと自体無駄やな、という人までいるということをぜひ知っておいてください」ということです。

療育の中には、セラピストよりも数倍お子さんや保護者の信頼を得て、かつ発達を促してくれる保育士さんや児童指導員さんもたくさんいます。

こんな人に担当してもらったら、お子さんの発達は最大に引き出されるでしょう。

肩書きが立派なセラピストや経験が長いセラピストでも、子どもに適切に関われなければ成果を出すのは難しいのです。

発達を引き出すのはセラピスト、保育はただの遊び。この考え方は100%間違っています。職種で選ぶと療育は失敗します、と私は断言します

大切なのは、子どもの成長を中心に考えられる支援者と出会うことです。

【ここだけのブラックな話】セラピストは客寄せパンダ?送迎しておきゃ利用者集まる?

とあるコンサルティング会社さんは、療育事業所を開所しようとしているオーナーさんの開所サポートの中で、「セラピストを1人雇ってください。保護者向けにセラピストがいることを大々的にアピールしてください。これで利用者は集まります」などと指示しているそうです。

ね、セラピストは客寄せパンダでしょう?

真摯に療育に向き合う質の高いセラピストに失礼やぞ!


あとはね、「送迎は必須です。送迎さえしておけば、開所当初からほっといても利用者は集まります」というアドバイスもあります(理念や方針云々よりも、「送迎しときゃあ、人気になるのさ」的な指示)。

何を言うてるねん!ゆずは送迎なし、保護者同室という保護者の方に負担を強いるような条件の事業所やけど、保護者の方は納得して、また「自分も学べるので」というお気持ちで通われているぞ!待機の方もおられるし、スポットだけでもいいから通いたいと言ってくださる方も多いぞ。送迎関係ないやん!

質の高い保護者の方はそんなことだけで療育を選ばへんねん!


保護者をアホやと思っとるのか?それともコンサルティング先に「言う通りにしといたら儲けさせてあげますさかいに」と適当なこと言って、100万円とか150万円とかの高額なコンサル費用をせしめとるんか!

「お主も悪よのう・・・」「いえいえ、お代官様ほどでは・・・」「ぐはははは!」完全にこれやん。


送迎さえしておけば利用者は集まるって、保護者やお子さんに対して失礼にも程があるやろ!こら、コンサルティング会社の◯◯!ええ加減にせえよ!


またYouTubeで「ブラックたけしくん登場!ブラック療育特集!」の生ライブをするので、その時に吠えるね笑。

療育が上手くいく保護者の特徴

では、反対にお子さんの療育が上手くいく保護者の特徴は、どんなところでしょう。

1.お子さんに合った事業所を探す姿勢を持っている

療育が成功する保護者は、事業所選びに時間をかけます。

ただ便利だから、近いからという理由だけで選ぶのではなく、見学や体験を通じて事業所の雰囲気や支援内容をしっかり確認します。

【ここだけの話】ゆずは絶対に契約を急かせません

ちなみにゆずでは、見学に来られた際に、どなたにも「他にも色々探してみてくださいね」「お子さんに合うところが一番ですから」と声をかけます。

「どうします?とりあえず、契約しておきましょうか?こちらへどうぞ」と言って意思確認もせずに契約を迫るなんてあり得ません。

「色々見て、ゆずがいいなと思ったらご連絡くださいね」といいます。

契約を迫る必要はないのです。なぜなら、ほとんどの方がそうお伝えしても即契約を決められますし、「他もみてから決めようと思います」と仰って帰られた方も、後日「ゆずさんにします」とご連絡をいただくことがほとんどなので、急かす必要はないのです。

2.長期的な視点を持って療育に取り組んでいる

短期的な成果に一喜一憂するのではなく、長い目で見てお子さんの成長を見守る姿勢も大切です。

療育は即効性のある魔法ではなく、少しずつ積み重ねることで成果が現れるものです。

上手くいく保護者は、小さな成長や変化を見逃さず、喜びながらお子さんを応援します。この姿勢が、療育の効果を最大化する鍵となります。

3.支援者と信頼関係を築くことを大切にしている

信頼できる支援者との連携も重要です。お子さんの特性や日々の変化を共有することで、より適切な療育が提供されます。

療育の効果は「療育事業所で生まれるもの」ではありません。

療育の効果は日々の生活の中で、日々の関わりの中で生まれます

だからこそ、生活の中でのヒントをくれる支援者と信頼関係を構築し、長いお付き合いの中で我が子の発達を少しずつでも構築していくことが大切です。


いわゆる「信頼できるパートナー選び」です。支援者と保護者の方は仲間なのです。

おわりに

療育は、親子がともに成長するプロセスです。お子さんの特性に合った療育を選び、長期的な視点を持って取り組むことで、より豊かな未来を築くことができます。

ただし、療育も玉石混交です。その中で玉を選ぶか、石を選ぶかは、保護者の手腕にかかっています。換言すると、「療育が上手くいくかいかないかは、保護者の自己責任」ということでもあります(昔は自治体が利用を決定するという措置制度でした。この制度から保護者が自由に通所先を決めることができる契約制度に変わった時から、どこでどんな療育を受けるかは「保護者の自己責任」ということになりました)。

自由であるということは、責任も出てくるということですね。

失敗しても、誰のせいにもできません。だからこそ、保護者の方がしっかりと「見極める目」を持つことが大切になってきています。

何よりお子さんの大切な時間を、無駄に過ごさないようにするためにも、しっかりと厳しい目を持って療育事業所選びをしていってくださいね。

ゆずも、そんな保護者の方の「厳しい目」にも胸を張って堂々と向き合える事業所でいられるよう、今に甘んじることなく、もっと質の高い、本当に効果のある療育を目指していきたいと思います。