発達障害児のための個別学習塾「寺子屋ゆず」2024年4月リニューアルOPEN!

スタッフ研修をしました!ゆずスタッフの行動指針は「ゆず6K」!研修詳細もご紹介します!

先日、スタッフ研修会を行いました。

王子公園ルーム、本山ルームのそれぞれに分かれて実施しました(つまり同じ内容のものを2回実施しました)。

テーマは、「①療育事業所におけるスタッフに求められている役割を再認識しよう!」ということと、「②巷で有名な(嘘です笑)「ゆず6K」について」、そして「③自己分析をしよう(SWOT分析)」の3つです。

せっかくですので、ゆずのスタッフはどんな研修を受けているのか、研修で使ったスライドもお見せしながら、少しだけご紹介します。

興味のある方は、ご覧ください。

①療育事業所におけるスタッフに求められている役割を再認識しよう!(ゆずのおっちゃん担当)

価値提供ができること。

これが、療育事業所で働く(いや、会社で働くすべての方に言えると思いますが)意義です。

価値とは、いただく報酬(国や自治体・利用者様からの自己負担金)に対して、療育スタッフとして還元するべきこと、です。

「福祉はお金じゃない」ということを仰る方がおられますが、それは違います。

なぜなら、療育を提供することで、上記に書いたように療育事業所は、国や自治体(9割)や利用者様(1割)から、その療育に係る費用をいただいています(もちろん事業所としていただくので、スタッフ個人がお金の受け渡しをするわけではありません)。

 

なぜ、国や自治体が9割もの負担をしているかというと、「療育サービスで、子どもたちの発達を促して上げて下さい」という国や自治体の思いがあるからです。

つまり、子どもを発達させる対価として、利用料を国や自治体が負担してくれている、ということになるわけです(もちろん保護者の方も1割負担してくださっています)。

だから、療育事業所のスタッフの価値提供とは、何よりもまずは子どもを発達させること、または発達させることが難しい場合であっても、環境設定や、地域社会への働きかけを行い、その子が地域の中で伸び伸びと育つことができるようにするためのバックアップを行うことです。

それが、第一のスタッフの価値提供になります。

だから、例えば子どもを叱ったりしている支援者は、国から対価をいただいて、そして子どもを叱りつける、というヘンテコな構図になっているのです。

というか、多分子どもを叱りつける療育を提供している方は、こういった仕組み(自分たちの療育支援に対して国や自治体がお金を支払ってくれているという事実)をよく知らないのではないかと思います。

 

そして、「ゆずの療育を勘違いしていませんか?」という問いかけです。

無理強いしない、叱らない、遊びを主体、など美辞麗句を並べることはできますが、これだけなら誰にでもできます。

優しい人を連れてきて、笑顔で優しく接していればいいのですから。

でも、それだけではなく、「発達させる(効果を出す)」ことこそ、児童発達支援事業所の役割があります。

ちなみに、スライドにもある通り、放課後等デイサービス事業所と児童発達支援事業所が圧倒的に違うところは、この部分です。

放課後等デイサービスは、学童保育的な預かりや(レスパイト)、学校と家庭以外の第三の場(サードプレイス)的な意味合いが強いです。

放課後等デイサービスは、支援を必要とする障害のある子どもに対して、学校や家庭とは異なる時間、空間、人、体験等を通じて、個々の子どもの状況に応じた発達支援を行うことにより、子どもの最善の利益の保障と健全な育成を図るものである。
(厚生労働省 放課後等デイサービスガイドラインより抜粋)

一方で、児童発達支援事業は、子どものスキルを高める(能力開発というものとは違いますよ)ことに主眼が置かれています。

児童発達支援センター等は、主に未就学の障害のある子ども又はその可能性のある子どもに対し、個々の障害の状態及び発達の過程・特性等に応じた発達上の課題を達成させていくための本人への発達支援を行うほか、 子どもの発達の基盤となる家族への支援に努めなければならない。また、地域社会への参加・包容(インクルージョン)を推進するため、保育所、認定こども園、幼稚園、小学校、特別支援学校(主に幼稚部及び小学部)等(以下「保育所等」という。)と連携を図りながら支援を行うとともに、専門的な知識・経験に基づき、保育所等の後方支援に努めなければならない。
(厚生労働省 児童発達支援ガイドラインより抜粋)

つまり、子どもの発達を促すこと、というのは児童発達支援事業所に与えられた一丁目一番地とも言える役割なのです。

だから、ゆずのスタッフとしては、単に優しい・丁寧・強制しないなどの関わりができているだけでは不十分で、子どもの評価が行えること、評価内容に沿って個別プログラムが立案できること、個別療育プログラムを実践する中で、子どもの発達を引き出すこと、同時に保護者の方へも子どもの現状や目標・課題について伝達し、バックアップすること、なども大事な役割なのです(保育所等への後方支援は、保育所等訪問支援事業がありますね)。

 

さて、それに加えて、次は療育スタッフとしての質の高さを目指す、というお話です。

これが、下図の「自分を高めるためのマトリックス図」です。


※王子公園ルームへのスタッフ研修が終わった後に考えた図(王子公園ルームのスタッフの皆さん、ごめんね)

この図でいうと、エネルギーの質(モチベーションや想いなど)が高く、かつエネルギーの量(行動力)が高い人こそ、「信頼される人」です。

ゆずのスタッフには、ここを目指して日々の療育実践を行ってもらっています。

 

要はエネルギーの質(つまり思いやモチベーション)が高く、かつ行動力がある人(行動力とは行動が連続していること)が、ゆずが最も求めている人です。

②ゆず6Kについて(主任児発管担当)

さて、ここで講師交代。

ゆず主任児発管の松岡が担当して、ゆず6Kについて、振り返ります。

 

ゆず6Kとは、ゆずのスタッフとして働く際の心構えを6つのKで表現したものです。

例えば、「気づき」や「協調性」など、頭文字がKから始まるもので構成されています。

このゆず6Kは、主任児発管の松岡が考案したもので、ゆずのスタッフ教育の根幹をなすものとして、存在しています。

ちなみに、読み方は、「ゆずロック」です。

シェキナベイベー(by内田裕也)😊


※ゆず6K(ゆずロック)の解釈図。企業秘密によりモザイク(笑)

このゆず6Kをクリアすれば、質の高い支援者となることができ、そしてそれはどこの世界(業界)にいっても、有益な人材として重宝されるための6か条であると言えます。

内容については、企業秘密なので、ご紹介できません。ごめんね😅

研修では、一人ひとりにこの表に書かれていることについて、療育実践を振り返ってもらいながら話を進めました。

皆さん、できているようで出来ていない、というところが共通の認識だったようで、こうやって定期的に振り返ることは、大事だなと見ていて思いました。

③自分を客観的に分析するための戦略(SWOT分析)(ゆずのおっちゃん担当)

そして最後は、各個人に事前に課題を出していたのですが、自己の強みと弱みを自分で分析するためのツール、SWOT分析の表を提出してもらいました。

SWOT分析とは、「強み」「弱み」の2つについて、「内的要因」と「外的要因」に分けて考えることで自分の思考をまとめ、自分の得意と苦手、売り出せる部分と売れない部分、などを理解するための手法です。

自己分析では、よく「長所」「短所」を考えてもらう、という手法が多いと思いますが、それだけでは主観的になりすぎます。

そこで、内的要因と外的要因から考えることで、より客観的な思考となります。

SWOT分析は、各個人で内容が違ってきますので、別途スタッフ一人ひとりと懇談する予定です。

 

ちなみにご参考までに、王子公園ルームを開所するにあたって、ゆずのおっちゃんが行った分析チャートがこちらです(個人ではなく、ゆずとして分析しています)。

これは、SWOT分析にさらに深く分析する「SWOTクロス分析」というものです。


※ゆずの王子公園ルームの開所に向けて立てた戦略図(SWOTクロス分析)。企業秘密によりモザイク処理しています。

個人でも、事業所でも、得手不得手がありますので、それを客観的に分析することができれば、客観的な方針が見つけられます

単に「頑張る」では、「何を」「どう頑張るのか」が不明なままですよね。

こういった取り組みをスタッフ自身に行ってもらうことで、「療育は根性論ではない」「頑張る!では何も変わらない」ということを実感してもらうことにもつながります。

まとめ

児童発達支援事業所は、自治体から認可された事業所です。

認可された事業所ということは、国や自治体から「よろしく頼みます」と信頼された事業所である、と換言できます。

そして、その信頼があるからこそ、利用料としての公費が国や自治体から支払われているのです。

だから児童発達支援事業所は「効果のある療育」を実践していく義務があります。

その効果とは、子ども自身を伸ばすことだけでなく、保護者の方に子育ての楽しさをより知ってもらうこと、子どもを取り巻くすべての人たちに、子どものことを理解してもらい、応援してもらうこと、なども含まれています。

今回の研修では、そのゆずとしての療育提供のあり方について、再度認識してもらうことができたと思います。

 

これからも、スタッフはゆずの理念に則って、子どもが自分に自信を持つことができるための療育、保護者の方が子育てに自信を持つことができる療育の実践を目指していきたいと思います。

 

実は、そのために最も大切なことは、スタッフ間の情報共有と助け合いだと思っています。

助け合いとは、「お互い様」「こちらこそ」の気持ちでスタッフ同士が接することです。

仕事なので、仲良しクラブになる必要はありません。

ですが、助け合うことは大切です。

それを大人(スタッフ)が実践し見せていくことで、子どもたちに「世の中には、助けてくれる人が必ずいる」というメッセージを伝えることにもつながると思っています。

保護者の方へ
ゆずはこんな療育実践を行っています。「その考えに賛同します」という方は、どうぞご見学にお越しください。
療育支援者・事業者の方へ

ゆずではスタッフ様向け研修を実施しています。療育コンサルタント、または単発の研修も行っていますので、「受けてみたい」という事業所様は、どうぞお問い合わせください。