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【療育のイロハ】「言葉が出ない…」焦る前に知ってほしい3つのヒント

こんにちは。ゆずのおっちゃんこと、代表のにしむらたけしです。

今回は、「療育のイロハ」として、お子さんの言葉がなかなか出なくて悩んでいる保護者の方へ向けて、言葉が出るために必要なことをお話しします。

「たくさん話しかければ話せるようになる?」「言葉を教えれば覚える?」と思われるかもしれませんが、実は言葉は単に教え込むものではなく、子ども自身が育てていくものです。

言葉が出るためには、言葉の理解量・伝えたい気持ち・発声の発達など、いくつかの要素が揃うことが大切です。
今回は、医学的根拠をもとに、言葉が育つプロセスと、家庭でできる関わり方について分かりやすく解説します。

言葉は「教えるもの」ではなく「育つもの」

「うちの子、なかなか言葉を話さない…」と不安になることはありませんか?

「もっと話しかけたほうがいいのかな?」「たくさん言葉を教えなければ!」と思うかもしれませんが、実は言葉は「教え込むもの」ではなく、子ども自身が育てていくものです。

無理に言葉を覚えさせようとすると、かえって逆効果になることもあります。

では、どうすれば言葉が自然に育つのでしょうか?

言葉が出るための3つの要素

言葉が出るためには、単に「言葉を教える」だけでは不十分です。子どもが自然に話し始めるためには、いくつかの条件が整う必要があります。

ここでは、言葉の発達に欠かせない3つのポイントを解説します。

言葉の理解量(コップの水の法則)

言葉は、「知っている言葉の量」が一定のレベルに達したときに、自然と出てきます。

私はこれを「コップの水の法則」と呼んでいます。

  • コップの中に水(=理解した言葉)が半分しか入っていないと、まだ言葉は出ない。
  • ほぼ満タンになっても、まだ出ない。
  • そして、コップの水があふれたときに、初めて言葉として出てくる。

「言葉をたくさん教えているのに話さない」のではなく、まだ十分な言葉の理解が蓄積されていないだけかもしれません。

伝えたい気持ちの育ち

言葉は、「何かを伝えたい!」という気持ちが湧いたときに初めて出てきます。

  • 「これが欲しい!」
  • 「見て!すごいよ!」
  • 「もっと遊びたい!」

このような「伝えたい!」という気持ちがなければ、言葉を使おうとは思いません。
親が話しかけるだけではなく、「子どもが伝えたくなる環境」を作ることが大切です。

口や発声の発達

言葉を話すためには、口の動きや発声の発達も関係します。

  • 口をしっかり動かせること
  • 声を出す経験があること(バブバブ言う、歌う、声を出して遊ぶ など)

例えば、ストロー遊びや、歌を一緒に歌うことも、発語の準備になります。

無理に言葉を引き出そうとすると逆効果

「早く話してほしい」と思うあまり、次のような関わり方をしていませんか?

  • 「言ってごらん!」と無理に促す
  • 「この言葉、覚えようね」と何度も繰り返す
  • 言わないと伝わらない状況を作る(例:「ジュースが欲しいなら『ジュース』って言いなさい」)

これらは、子どもにとってプレッシャーとなり、「話すこと=苦しいこと」と感じてしまう原因になります。

焦らず、自然に言葉が出てくるのを待ちましょう。

言葉を自然に育てる関わり方

「言葉を教える」のではなく「言葉を体験させる」

言葉は、意味と一緒に覚えることで身につきます
例えば、

  • 踏切を見ながら「電車がきたね!」
  • 風が吹いているときに「風が気持ちいいね」

このように、子どもが体験していることに言葉を添えるのがポイントです。

遊びの中で自然に言葉を増やす

保育や遊びの中でも、十分に言葉を引き出すことはできます。

  • おままごと:「ごはんどうぞ!」→「ありがとう!」
  • 積み木遊び:「高くなったね!」「倒れちゃったよ!」

こうした遊びの中で、言葉を聞く経験を増やし、自然と話したくなる環境を作ります。

自然に言葉が出るきっかけを作る

子どもが「言いたくなる」環境を意識的に作ることも大切です。

具体的には、

  • わざと忘れる作戦(子どもの靴を片方だけ渡す→「もう片方ちょうだい」と言わせる)
  • 好きな遊びで言葉を引き出す(電車が好きな子なら、電車を動かしながら「ガタンゴトン」と言葉を添える)

まとめ】言葉の発達は焦らず、楽しく育てよう

  • 言葉は「教えるもの」ではなく「育つもの」
  • 言葉の理解、伝えたい気持ち、発声の発達が重要
  • 無理に言わせようとすると逆効果
  • 体験と言葉を結びつけることで、自然に言葉が増える

子どもは、それぞれのペースで言葉を獲得していきます。

焦らず、遊びや日常の中で楽しく言葉を育てていきましょう。


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